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ゴルフ

「見返したかった」渋野日向子の涙に込められた“複雑な想い”。亡き恩人への感謝、そして批判に対する本音も

山西英希

2021.10.11

大ブレイクを果たした2019年以降、苦しい時期を過ごしていた渋野。約1年11か月ぶりの優勝に思わず涙をこぼした。(C)Getty Images

大ブレイクを果たした2019年以降、苦しい時期を過ごしていた渋野。約1年11か月ぶりの優勝に思わず涙をこぼした。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『スタンレーレディス』最終日、前週の『日本女子オープン』を制した勝みなみに刺激を受けたわけではないだろうが、同じ黄金世代の渋野日向子が4人プレーオフを制し、1年11か月ぶりの国内ツアー5勝目を飾った。

【画像】JLPGAも「優勝おめでとう」と祝福!渋野日向子の“最終日フォトギャラリー”をチェック

 一時は首位と4打差まで離された渋野だが、この日は最後まであきらめなかった。「何があるか分からない」と信じ、ボギーを叩いてもすぐにバーディを奪い返すしぶといプレーを続ける。そして、ついに18番パー5でこの日6個目のバーディを奪うと、首位グループに加わったのだ。

 この時点で通算10アンダーに並んだのは渋野、木村彩子、ペ・ソンウ、アマチュアの佐藤心結の4選手。プレーオフの舞台となったのは、つい先ほどバーディを奪ったばかりの18番だった。その1ホール目で木村が脱落すると、2ホール目に渋野だけがバーディを奪って決着。渋野にとっては、18番を3回連続でプレーしたのが幸いだっただろう。
 
「今までスイング改造を行ってきた集大成が18番のすべてのショットで出たのではないかと思います」と力強く言い放ったように、ティショットからパッティングまで完ぺきなゴルフを演じたのだ。

 ティショットでは3回ともフェアウェイをキープ。しっかりと飛距離を出し、課題としていた“飛んで曲らないドライバーショット”も見せつけた。さらに2打目では7番ウッドと5番ユーティリティを使い分け、3打目でウェッジを打てる距離にボールを運んでいた。

 本戦では52度、プレーオフ1ホール目では54度、2ホール目では46度のウェッジを使用した渋野。残り距離はそれぞれ95ヤード、88ヤード、108ヤードだった。

 昨年から掲げているテーマのひとつに、100ヤード前後の距離からの精度を上げることがあったが、そのために先に挙げた3本のウェッジに58度を加えた4本ウェッジでシーズンを戦った。渋野にしてみれば、その成果を見せるにはこれ以上ない舞台だったと言える。
 
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