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バレーボール

男女バレー代表、監督交代でどう変わる?“日本独自のスタイル”を貫く女子には不安の声も

THE DIGEST編集部

2021.10.15

17年からコーチとして支えていたブラン氏が監督に昇格した。(C)Getty Images

17年からコーチとして支えていたブラン氏が監督に昇格した。(C)Getty Images

 10月14日の理事会で承認を受け、男女バレーボール日本代表の新監督が発表された。

 男子は東京五輪までコーチを務めたフィリップ・ブラン氏が、女子はロンドン、リオデジャネイロ五輪で監督を務めた眞鍋政義氏が就任する。

 男子を率いるブラン氏は、コーチ就任後の17年からチームの戦術形成や練習メニューの構築など、チームの軸となる部分を担ってきた。

 それまでは世界と比べ、日本は高さやパワーで劣るため、どうしてもトスの速さなどスピードを追求してかわすことに注力してきたが、08年の北京五輪から2大会続けて五輪出場を逃すなど世界との差は広がるばかり。日本のオリジナルを追求するばかりでなく、世界のスタンダードとは何かを把握する必要があった。

 ブラン氏のコーチ就任によって日本の指標は明確になり、サーブで攻めて主導権を握る戦い方へシフトした。攻撃時はトスの速さだけにこだわるのではなく、常に複数の攻撃が同時に入りブロックの枚数を上回り数的優位をつくる。レフトのアウトサイドヒッターや、ライト側のオポジットに集める単調な攻撃だけでなく、ミドルブロッカーのクイックや後衛から同じテンポで入るバックアタックを積極的に使うなど、チームとしての指針を植え付けることで選手たちの意識や技術レベルは劇的に進化を遂げた。
 
 東京五輪までは中垣内祐一監督が率いるチームではあったが、前述面の戦略、戦術形成や練習メニューに加え、選手起用にもブラン氏の手腕はこれまでも発揮されてきた。中垣内監督からブラン氏へ変わるとはいえ、実質これまでのスタイルと大きな変化はないと見られるが、選手に対するコーチングに専念できるコーチと比べ、監督になればチーム全体のマネジメント能力も問われる。

 ブラン氏には01年から12年まで母国フランスを監督として率いた経験があり、実績も十分。母国パリ五輪に日本を率いて凱旋することは大きな挑戦、夢であり、国内リーグとの連携に関しては、16年まで日本代表監督を務め、新たに強化委員長に就任した南部正司氏が手腕を発揮すると見られ、組織体制は盤石だ。

 加えて、主将の石川祐希や西田有志など、東京五輪で活躍した選手たちは海外へ活躍の場を広げ、常に世界と対峙することで技術や意識を磨いている。東京五輪では29年ぶりのベスト8進出を果たした日本代表が、パリ五輪でのメダル獲得という目標に向け、ブラン監督がどんなコーチングスタッフで臨むのか注目したい。
 
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