専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
格闘技・プロレス

“世紀の一戦”武尊vs那須川天心は実現するのか?カギとなる複雑な条件「K-1でもRIZINでもない中立なリング」

橋本宗洋

2021.10.16

対戦実現には「あと数週間」がリミットとされる武尊(左)vs那須川(右)。 写真:産経新聞社、徳原隆元

対戦実現には「あと数週間」がリミットとされる武尊(左)vs那須川(右)。 写真:産経新聞社、徳原隆元

 今どうなっているのか。結局どうなりそうなのか。多くの格闘技ファンが気になっているはずだ。現在の日本格闘技界における最高のビッグカード、武尊vs那須川天心の一戦である。

 始まりは2015年。那須川が対戦を呼びかけたことが大きな話題となった。しかし武尊の属するK-1サイドは那須川に独占契約を求める。本音としては闘いたかった武尊だが、当時、K-1の枠組みを崩すことはできなかった。以降、両陣営の関係は険悪なものになっていく。

 その状況を動かしたのは武尊だ。那須川の名前こそ出さなかったものの「みんなが望む試合を実現させたい」と発言。そのことでファンの期待感も復活する。心ない人間たちからは「逃げるな」といった誹謗中傷をぶつけられたが、武尊はもとより逃げる気がなかった。

 そして昨年大晦日、武尊はRIZINでの那須川の試合をリングサイドで観戦。試合後には“グータッチ”をかわした。「待たせましたね」との会話もあったという。

 その後、那須川は2月のRISEで志朗戦に勝利。武尊は3月にレオナ・ペタスを下してK-1王座を防衛した。これで晴れて実現へ、と思いきや、武尊が負傷。回復を待ち、あらためて実現が期待されているというのが現在の状況だ。
 
 時間がないことは、誰もが分かっている。那須川は来年、ボクシングに転向することを公言しているのだ。9.23RISEを終え、残るキックボクシングの試合は年末のRIZINと年が明けてからのRISE、この2試合となる。

 タイミングを考えると、武尊戦は年末、RIZINの試合契約を使ってのものになるだろうか。あるいはイレギュラーでもう1試合ということなのか。来年のRISEは那須川の“キック卒業マッチ”であり、彼のホームリングに武尊が上がることは考えにくい。

 9月23日、RISE・ぴあアリーナMM(横浜)大会で、那須川は「僕もマジで分からない。状況が整えばやりたい」と語るにとどまった。RISE伊藤隆代表は、世紀の一戦の実現について質問され、その時点では「(交渉の)テーブルに着いていません」とコメントしている。またRIZINの榊原信行CEOが間に入っていることも明かした。

 そして榊原CEOは、RIZIN会見後の囲み取材でこの件について言及。

「みんなが少しずつ我慢したり譲ったりする必要がある。誰かの思い通りに100%いくというのでは実現しない」
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号