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宇野昌磨が“ジェットコースター”のような選手人生を乗り越えて得た目標は?「五輪にだけ燃えるわけではなくて」【フィギュア】

THE DIGEST編集部

2021.10.24

SPを2位で終えた宇野昌磨。「まだまだ自分の100%の力を発揮できなかった」と語る彼が語った決意とは。 (C)Getty Images

 現地時間10月22日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦スケート・アメリカが、アメリカのラスベガスで開幕した。

 男子ショートプログラム(SP)に出場した、2018年平昌五輪・銀メダリストの宇野昌磨は、89・07点で2位スタート。冒頭に予定していた4回転フリップが2回転となってしまうミスはあったが、続く4回転+3回転トゥループを着氷。トリプルアクセルはやや乱れたが耐えきり、演技をうまくまとめてみせた。

 試合後のプレスカンファレンスで、宇野は「4回転フリップのミスあったけれど、2~3年ぶりですかね?4回転+3回転トゥループが着氷でき、トリプルアクセルもきれいに飛ぶことができた」と語り、「少なからず、今日までやってきた練習が間違いなくこの試合に生きていた部分もあり、まだまだ自分の100%の力を発揮できなかった部分は今後の課題です」と振り返った。

 また、「ひとりで日本でトレーニングをしていたと聞いていた。1年半のなかでハードだったと思うが、役になったことや五輪に対する思いの変化はあったか?」「ここ数年の結果はあなたにとって(良い時と悪い時の差が激しい)ジェットコースターのようなものだったが、どう考えているか?」と質問されると、このように回想した。

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「ステファン(・ランビエール)コーチと一緒にトレーニングできないことは、ジャンプではなく、プログラムの繋ぎなどの部分で大変だなと感じました。けれど、僕の周りにはたくさんの力を貸してくださるに皆さんいらしてくれるので、いい準備ができていました。今後、シーズンが本格的になるにつれて、僕がスイスに行って、ステファンとともに、いい練習を詰めてやっていきたいなと考えています。

 それと、ここ最近の試合の成績は、僕の中では比較的悪いと考えているんですけれども、その経験をしたうえで、世界のトップで戦える存在になりたいと、心の中で強く火が灯っている感じです。オリンピックに向けてだけすごく燃えているというわけではなくて、今年がどんな年でもこの気持ちになったと思います。日本では、今日出場した佐藤駿くんや、鍵山優真くんのような若い選手が出てきているので、彼らに負けていられないなという気持ちもあります」

 男子フリーは現地23日に行なわれる。SPの日本人はともに最終グループで、佐藤は7番目、宇野は10番目に滑走する。難度の高いプログラムで、宇野がどのような演技を見せるのか。

構成●THE DIGEST編集部