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「もっと練習しないといけないな」宇野昌磨が見せた飽くなき向上心。2年ぶりのGPシリーズ表彰台に満足しないワケは?

THE DIGEST編集部

2021.10.25

2年ぶりのGPシリーズ表彰台に感慨は見せるも、その目はもっと高みを見すえている。(C)Getty Images

 現地時間10月23日、フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦アメリカ大会の2日目が行なわれ、男子のフリースケーティング(FS)に登場した宇野昌磨は、フリーを3位で終え、総合順位2位(合計270・68点)とした。

 同シリーズとしては、2018年のGPファイナル以来となる表彰台だ。今大会5連覇を狙う米国ネイサン・チェンの追い上げを僅差でかわし、銀メダルを手にしたが、日本から参加した23歳は、「正直、この選手たちの中で2位というのは光栄で、とてもすごいこと。ただ、自分が求めているレベルには到達していないという現実を再確認した」と冷静に語った。

 2位で終えたショートプログラム(SP)でもミスがなかったわけではない。冒頭の4回転フリップは2回転。さらにフリーの『ボレロ』では、冒頭の4回転フリップで手をつき、続く4回転サルコーは3回転の判定となった。後半のトリプルアクセルを含めたコンビネーションジャンプも「回転不足」がついている。

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 しかし、こうした結果を受け止めて「今の自分に相応しい結果」と言い切る強さが、今の宇野にはある。

 優勝したヴィンセント・ジョウは4回転ジャンプ5本を着氷。うち3本は回転不足、1本にエッジエラーがついたが、滑り切ったその姿から得るものがあった。「ヴィンセント選手が練習している姿を見て、日ごろからどれだけフリープログラムを練習しているんだろう、と思うくらいの安定が、練習からにじみ出ていた。それを目の当たりにして、僕も、もっと練習しないといけないなと思った」と称えた。

 ジャパンオープンを経てラスベガスに乗り込み、次なる舞台は日本。11月12、13日に開催されるNHK杯となる。自らの伸びしろを信じ、「JOからこの大会に向けて修正ができたように、NHK杯に向けて、今回足りなかったものを再確認して、練習を積み重ねたい」と語った23歳のフィギュアスケーターに、迷いはない。

構成●THE DIGEST編集部

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