ラグビー

南アフリカが3度目の世界一!ラグビーW杯決勝でイングランドを下し、07年以来の頂点に

THE DIGEST編集部

2019.11.02

南アフリカが堅守をベースに世界一に輝いた。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

[ラグビーW杯・決勝]イングランド12-32南アフリカ/11月2日/横浜国際総合競技場

 約1か月半にわたる熱戦の勝者が、ついに決まった。11月2日、横浜国際総合競技場でラグビーワールドカップの決勝が行なわれ、イングランドと南アフリカが対戦。32対12で南アフリカが勝利し、2007年大会以来3度目となる優勝を果たした。

 世界ランキング1位と2位の対戦は、文字通りの死闘となった。

 開始早々の1分、イングランドがノットロールアウェーの反則を犯し、南アフリカがPGを狙うが外れる。2分にはイングランドのカイル・シンクラーが味方選手と交錯して倒れ込み、試合が止まった。シンクラーは数分後に立ち上がり、自らの足でロッカールームルームへ下がったが、イングランドは想定外の交代を強いられてしまう。

 一方の南アフリカは8分、ドゥウェイン・フェルミューレンが敵陣内でジャッカルに成功し、ハンドレ・ポラードがPGを決めて先制に成功する。南アフリカは21分にルード・デヤハーが左肩を痛めて交代するアクシデントに見舞われたが、日本戦と同じようにキック中心の試合運びで、イングランドにプレッシャーをかけていった。

 その後は一進一退の攻防が続いた。

 イングランドが21分にオーウェン・ファレルのPGで同点に追いつけば、南アフリカは24分にスクラムで押し込んでファウルを誘い、PGで3点を追加する。続く30分にはイングランドが猛攻を見せ、アドバンテージを持った状態で何度もフェーズを重ねてインゴールに迫った。結局、南アフリカの堅い守備に阻まれ、トライまでには至らなかったが、PGを決めて試合を振り出しに戻した。

 前半終了間際は南アフリカがペースを掴み、38分に長い距離のPGをポラードが沈めて9対6に。さらに終了間際のスクラムでイングランドの反則を誘い、またもPGで3点を追加して前半を折り返した。
 
 12対6で迎えた後半も、先手を取ったのは南アフリカだった。

 45分、キックが冴えに冴えたポラードが、チャンスを逃さずにPGを沈めて9点差に。52分にイングランドにPGを返されたものの、57分にポラードが6本目のPGを沈めて18対9と突き放す。59分にまたもPGで6点差に詰め寄られたが、迎えた65分にマカゾレ・マビンピとルカンヨ・アムのビッグプレーが生まれ、この日初トライに成功。コンバージョンも沈め、25対12と点差を大きく広げた。

 南アフリカは75分にも相手のミスに乗じてチェスリン・コルビが右サイドを独走。トライ&コンバージョンに成功して32対12とすると、逆転を狙って前に出てくるイングランドの裏のスペースを、キックで突いて時計の針を進めていく。最後は大きくタッチに蹴りだし、歓喜の雄叫びを挙げた。
 
 南アフリカは9月21日のプール戦初戦でニュージーランドに13対23で敗れ、B組2位で決勝トーナメントに進出。プール戦で黒星を喫して優勝した初のチームになった。頂点に導いたラッシー・エラスムスHCは、「選手を誇りに思う」と胸を張った。

【PHOTO】南アフリカが3度目の世界一!イングランドを下し、07年以来の頂点に立ち喜び爆発!

構成●THE DIGEST編集部
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