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アカイイトはなぜ勝てたのか?大波乱のエリザベス女王杯で上位人気馬が敗れた理由

三好達彦

2021.11.17

アカイイトは今回のエリザベス女王杯で上がり3ハロン35秒7と最速の時計を叩き出した。写真:産経新聞社

アカイイトは今回のエリザベス女王杯で上がり3ハロン35秒7と最速の時計を叩き出した。写真:産経新聞社

 11月14日、第46回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m)が阪神競馬場で行なわれ、高評価を受けていた1番人気のレイパパレ(牝4歳/栗東・高野友和厩舎)は6着、2番人気のアカイトリノムスメ(牝3歳/栗東・国枝栄厩舎)は7着、3番人気のウインマリリン(牝4歳/美浦・手塚貴久厩舎)は15着と揃って敗退した。

 かわって勝利を収めたのは、3コーナーからロングスパートをかけた10番人気のアカイイト(牝4歳/栗東・中竹和也厩舎)。2着に7番人気のステラリア(牝3歳/栗東・斉藤崇史厩舎)、3着に9番人気のクラヴェル(牝4歳/栗東・安田翔伍厩舎)と、上位を人気薄が独占し(4、5着も11、12番人気が入着)、3連単の払戻金は339万3960円という高配当を記録する大波乱となった。

 ファンもマスコミも厩舎関係者も、みな唖然呆然の結末だった。

 第4コーナーの引き込み線にあるシュートからいっせいにスタートを切ると、ウインマリリン、レイパパレ、アカイトリノムスメは先行集団にポジションを取る。ペースは淀みなく流れ、時計がかかる傾向がある今開催の馬場のもと、1000mの通過ラップは59秒0と、やや速めだった。
 
 道中ずっとかかり気味だったレイパパレが3コーナー過ぎから進出して先頭に並びかけると、アカイトリノムスメも進出を開始。後方から”まくり”をかけたアカイイトも先団に取り付いて、馬群は直線へ向いた。

 まずレイパパレが先頭に躍り出るが、末脚に力感が見られず、アカイトリノムスメも馬群から抜け出すだけの脚力を欠いた。

 そこへ襲い掛かったのが、ロングスパートをかけて浮上してきたアカイイト。抜群の切れ味で一気に先頭に立つと、やはり後方から伸びてきたステラリアに2馬身の差を付けて悠々とゴールを駆け抜けて大波乱の主役となったのだった。

 アカイイトの父キズナはディープインパクトの直仔にして2013年の日本ダービー馬で、同年のフランス遠征ではニエル賞(G2)に優勝し、凱旋門賞(G1)で4着に入った実績を持って種牡馬入りした。19年度の新種牡馬2歳リーディングでトップとなるなど評価が高く、種付料(受胎確認後支払)は250万円でスタートし、今年は1000万円まで増額されているほどだ。今回のアカイイトの優勝は、産駒初のGⅠ制覇となり、さらに人気を呼ぶことになるだろう。
 

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