11月14日、３歳と古馬が激突する中距離女王決定戦、エリザベス女王杯（Ｇ１、芝2200メートル）が阪神競馬場で行なわれる。

【関連動画】アカイトリノムスメがＧ１初制覇を飾った秋華賞をプレイバック！ ソダシは10着に

　大まかな勢力図は「２強＋１」と言えるが、魅力的な穴馬も多数おり、実際は「混戦模様」と捉えるほうがより正確だろう。ここでは有力馬・注目馬の強みとウィークポイントを分析してみる。

　まず、挙げなければならないのが、Ｇ１ウィナーの「２強」だ。秋華賞（Ｇ１、阪神・芝2000メートル）を制したアカイトリノムスメ（牝３歳／美浦・国枝栄厩舎）と、大阪杯（Ｇ１、阪神・芝2000メートル）勝ち馬のレイパパレ（牝３歳／栗東・高野友和厩舎）だ。

　アカイトリノムスメは父ディープインパクト、母アパパネがともに三冠馬という“良血中の良血”であるのはご存じのとおり。桜花賞（Ｇ１、阪神・芝1600メートル）４着、オークス（Ｇ１、東京・芝2400メートル）２着と勝ち切れないレースが続いたが、牝馬三冠のラスト一冠となる秋華賞では、戸崎圭太騎手の絶妙なナビゲートに応えて念願のＧ１タイトルを手にした。

　デビュー以来、馬券圏内を外したのは桜花賞（４着）の一度のみという安定感は何よりの強み。また、３歳馬ゆえに斤量で２キロの恩恵を受けるのもアドバンテージになる。
  　オークス以来、約５か月ぶりのレースとなった秋華賞では、仕上がりきっていたように映ったこと（前走比－２キロ）で反動が気になっていた。追い切りで抜群の動きを見せ、そうした不安を払拭したかに思えるが、完全に消し去ったとは言えないだろう。

　アーモンドアイ、また本馬の母アパパネという２頭の三冠牝馬を育て上げた伯楽、国枝調教師の手腕を信じるかどうか。本馬の取捨はその点にかかっている。

　アカイトリノムスメと同じく、父にディープインパクトを持つレイパパレは、デビューから無敗の６連勝で、今春の大阪杯を制した逸材だ。

　その大阪杯では三冠馬コントレイル（牡４歳／栗東・矢作芳人厩舎）やグランアレグリア（牝５歳／美浦・藤沢和雄厩舎）と並み居る強豪を押しのけ、重馬場のなか、２着を４馬身（０秒７差）も千切り捨てる衝撃的な内容だったから恐れ入った。

　ただ、その後は宝塚記念（Ｇ１、阪神・芝2200メートル）が３着、秋の始動戦となったオールカマー（Ｇ２、中山・芝2200メートル）が４着と連敗しており、その敗因が気になるところ。というのも、デビューからの６連勝は2000メートル以下で記録したものであり、そこから距離が延びた2200メートル戦で連敗を喫しているからだ。