格闘技・プロレス

「これ以上、恥をかかせるな」髪切りマッチは“王者”ジュリアが敗れて坊主に!「髪はまた生えてくる」と表情スッキリ<2021百選>

どら増田

2021.12.10

中野たむとの壮絶な戦いに敗れたジュリア。髪の毛も潔く剃りこんだ。写真:どら増田

 2021年のスポーツ界における名場面を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回クローズアップするのは、白いベルトを懸けて繰り広げられたスターダムの"髪切りマッチ"だ。涙の激勝を飾った中野たむに対し、敗れたジュリアは王座とともに髪を失った。

記事初掲載:2021年3月3日

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 3月3日、ブシロード傘下のスターダムは、ビッグマッチ『スターダム10周年記念~ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA~』を東京都の日本武道館で開催した。

 大注目のメインイベントでは、「ワンダー・オブ・スターダム選手権試合&敗者髪切りマッチ」が開催。チャンピオンのジュリアに、中野たむが挑んだ。

 試合前には長与千種対ダンプ松本による伝説の髪切りマッチが煽り映像として流され、会場の後方からは、この日行なわれた「スーパースターランブル」に出場した"髪切り経験者"の千種も見守った。

 緊張した面持ちで入った挑戦者・たむに対して、ジュリアはド派手に入場。好対照なリングインでゴングがなかった試合は、じっくりとしたグラウンドの攻防から始まる。

 幾度となく対戦している両者なだけに読み合いが続くなか、ロープ際の攻防を制し、場外戦を仕掛けたジュリアが試合を優位に進める。相次ぐ攻撃に悲鳴をあげる挑戦者を尻目に、場外にテーブルをセッティングした王者は、パイルドライバーを炸裂。テーブルが真っ二つに割れるほどの大技を披露した。

【動画】スターダム公式が紹介! ジュリアの断髪シーンをチェック
 
 カウント17でリングに生還したたむに、ジュリアは厳しい攻撃を続けると、トップロープでは相手のフロントネックロックで締めあげる。たむは何とか猛攻を切り返すも、ダブルノックダウンに。

 ここでも先に立ち上がったジュリアは、「しっかりしろ!」と相手の顔を張っていく。ここでやられっぱなしのたむは大技攻勢で一気に勝負に出るが、王者もカウント3を許さない。

 武道館が静まる中、二人の張り手の音だけが響き渡る――。張り手の連打を打ち合った両者。最後は、たむが垂直落下式ブレーンバスターを鋭い角度で決め、そこからトワイライトドリームで畳み掛けてカウント3を奪取。見事に白いベルトを初奪取するとともに髪の毛を守った。

 試合直後にたむは「ジュリア! あんたがいたから強くなれた。これ以上は望まない」と髪切りを免除すると宣言するも、ジュリアは「これ以上、恥をかかせるな」と志願。泣きながら髪を切らせまいとするたむに「なんでお前が泣くんだよ。カッコ良くやってくれる?」と理容師に潔くバリカンを入れてもらい場内からは拍手が送られ、最後は、両者が握手を交わしてバックステージへと去った。
 
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ジュリアは敗戦も「最高に気分がいい」