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マラソン・駅伝

「故障する部位が変わってきた」青学大の原監督が”厚底シューズ”への悩みを吐露。一方、リスクマネジメントで箱根駅伝は盤石の布陣に

THE DIGEST編集部

2021.12.10

青山学院大学を率いる原晋監督が、現在の陸上界に潜む問題を言及した。写真:滝川敏之

青山学院大学を率いる原晋監督が、現在の陸上界に潜む問題を言及した。写真:滝川敏之

 来年1月に開催される箱根駅伝に王座奪還を狙う青山学院大学は、主将の飯田貴之(4年)、岸本大紀(3年)、近藤幸太郎(3年)、佐藤一世(2年)をはじめとする16名をエントリー。メンバー全員が、10000m28分台と盤石の布陣を敷いた。

 20kmの長距離に適性があり駅伝力がある選手と評価を受ける選手らを順当にメンバー入りさせた同大学だが、指揮官を務める原晋監督は、オンラインで行なわれた「箱根駅伝監督トークバトル」で、ある悩みを打ち明けた。

「今年1年で意識して取り組んできたこと」をテーマとした際、原監督は「厚底シューズへの対応」を挙げたのだ。「記録が伸びている要因として各メーカーさんのテクノロジーの進化が挙げられる。一方で故障する部位が以前と変わってきた」と切り出し、こう続けた。

「前回大会直前ではエースの神林勇太が仙骨、腰回りの疲労骨折を直前にしましたし、我がチームでもそういった部位の故障が増えている。今までは下肢、シンスプリント系の故障が多かったのにお尻周り、臀部周りの故障が増えてきている。スピードの強化に繋がっているけど、故障の傾向がある。故障させずに継続することで、力がつく」
 
 通称“青トレ”というインナーマッスルを鍛える補強トレーニングを伝統的に行なっていた同大学が、今年は「プラスアルファ―でアウターユニットも同時に鍛えることによって、故障しない体づくり、厚底シューズに対応する動きづくり、補強トレーニングで進化させようとした」と話した。

 これには、同イベントでコーディネーターを務めた関東学連駅伝対策委員長の上田誠仁氏は「実はとても重要な課題で、スポーツ障害の論文やデータもかなり揃ってきている」と反応。

 続けて「スポーツ医学や科学の導入を抜きに世界へのチャレンジはない。そういったことを念頭において怪我をしてしまっては元も子もないですから、そういったことに目を向けて、いかに強くするかはリスクマネジメントも含めてしっかりされている」と感心した様子をみせた。

構成●THE DIGEST編集部
 

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