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マラソン・駅伝

出雲2位、全日本2位の青学大を箱根駅伝の大本命に推せる理由。箱根を制する3つの条件に合致

佐藤俊

2021.12.07

優勝を狙える選手層を誇る青学大。左から主将の飯田、エースの近藤、前々回2区を好走した岸本。写真:金子拓弥(THE DIGEST編集部)/滝川敏之

優勝を狙える選手層を誇る青学大。左から主将の飯田、エースの近藤、前々回2区を好走した岸本。写真:金子拓弥(THE DIGEST編集部)/滝川敏之

 箱根駅伝まで、1か月を切り、各大学はこれから調整期間に入って行く。

 今季の大学三大駅伝の初戦である出雲駅伝は、東京国際大が優勝し、全日本大学駅伝は駒澤大がアンカー勝負で制した。出雲は3区から東京国際大の独走だったが、全日本は区間ごとに各大学の順位が入れ替わる激烈な駅伝になった。

 次は、いよいよ箱根駅伝になるわけだが、優勝候補に挙げられているのが、駒澤大と青学大だ。駒澤大は全日本で鈴木芽吹(2年)と唐澤拓海(2年)2人のエースを欠くなかで優勝したことで、大砲の田澤廉(3年)と3本柱が揃えば二冠達成も容易に理解できる。では、青学大が優勝候補と言われる理由はどこにあるのか。

 箱根駅伝に勝つためには、基本的に選手層の厚さ、エース、特殊区間を走れる選手がいることの3つの条件が挙げられる。この3つの条件を青学大に当てはめてみると、どうだろうか。

 まず選手層だが、10000m28分台の選手が23名いる。駒澤大でも9名しかいないゆえに、この数字がいかに驚異的なのか理解できよう。原晋監督は、「メンバーを選ぶとよりも落とす方が難しい」と語っていたが、まさにその通り。持ちタイムだけでみれば誰が走ってもおかしくはない。往路はもちろん、復路も往路と同じレベルの選手を配置し、レースに臨めるのは、圧倒的に優位だ。
 
 優れた選手が多いだけに、もちろん部内競争は激しいが、誰が走っても高いレベルで走れる。出走する選手に「自分がなんとかしなければ」という余計なプレッシャーを与えず、それぞれの持ち場で自分の力を発揮することに集中してもらえる。これが実力的にデコボコした区間配置になると、自分のペースではなくレース展開に合わせ、後続を離すためや、遅れを挽回するために無理のあるペースで走ることもある。つまり選手層の厚さはメンタルの余裕につながるのだ。

 また、今年の青学大には、近藤幸太郎(3年)というエースが誕生した。5000m(13分34秒88)と10000m(28分10秒50)では青学大記録を樹立。出雲駅伝は1区区間賞、全日本大学駅伝では7区2位と安定した走りを見せており、タイムはもちろん駅伝力の強さも見せつけている。キャラクターが明るく、弁も立ち、これからの成長が楽しみな逸材だ。

 また、1年時にエースとして箱根駅伝2区で日本人ルーキーの最速記録を出し、その後、故障で苦しんできた岸本大紀(3年)も復活してきた。駒澤大の田澤や東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(3年)のような大砲はいないが、近藤の走りがチームに大きな影響を与えるという意味では、エースという位置づけになる。
 
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