格闘技・プロレス

カシメロの緊急離脱にバトラー陣営も嫌気?「タイトル戦ではなけれリングに入らない」と“代理戦”への不参加も示唆

THE DIGEST編集部

2021.12.11

カシメロ(左)の離脱によって、タイトルマッチの開催が危ぶまれている。その状況にバトラー(右)陣営も不満を隠しはしなかった。(C)Getty Images

 まさかの事態が物議を醸している。

 現地時間12月10日、ボクシングプロモーション会社『Probellum』は、公式SNSで翌日にUAEのドバイで開催予定だったWBO世界バンタム級王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)と同級1位のポール・バトラー(英国)の世界戦中止を発表した。
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 5度目の防衛戦に注目が集まっていたカシメロ。だが、ウイルス性胃腸炎のために緊急入院を余儀なくされ、10日に実施予定だった前日軽量を欠席。年内最後の大一番への不参加が急遽決定した。

 王者の離脱によって、挑戦者であるバトラー陣営も困り果てている。11日に試合は、緊急召集された同級10位ジョセフ・アグベコ(ガーナ)との暫定王座決定戦に決定したものの、カシメロの病状が診断書の提示などによって世界ボクシング機構(WBO)に正式に認められた場合、王座は移動しない。そのため、モチベーションの維持などが難しい試合となる。

 軽量の前日に行なわれた会見で33歳の英国戦士は、「俺は何も恐れていないし、カシメロと闘えることをエキサイティングに感じている。このために最高のトレーニングを重ね、一生懸命に闘ってきたんだ」とタイトル奪取に向け、気合十分だった。それだけに、米専門メディア『The Ring』の取材に応じたトレーナーを務めるジョー・ギャラガー氏も「残念でならない」と惜しんだ。
 
「この試合に向けたトレーニングキャンプは本当にうまくいっていただけに、ポールがカシメロと闘えないのは残念でならない。アグベゴとの試合に向けた準備は現在進行中だが、少し体重の調整もしなければならないし、何よりWBOがタイトルマッチとして正式に認めてくれるかを待っている段階だ」

 さらにバトラー本人との話し合いの末に、「正式なタイトルマッチにされない限りはリングに入るつもりはない」と語ったギャラガー氏は、次のように言い放っている。

「彼は世界王座を獲るために、完全な状態となって、この舞台に戻ってきたんだ。カシメロは体重測定に失敗したのだから、できることなら、アグベコとの試合が空位となったタイトルを争うものになってほしい。暫定王者を決める試合に、ポールも、我々も興味がない。我々は世界タイトルを獲るためにここにきたんだ」

 試合までのわずかな時間で、WBOはいかなる決定を下すのか。その判断次第では、バトラーも試合を離脱する可能性もありそうだ。

構成●THE DIGEST編集部
 
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