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格闘技・プロレス

「人間関係がおかしくなる寸前だった」榊原CEOが語った天心vs武尊実現の舞台裏。気になる会場はどこに?

THE DIGEST編集部

2021.12.24

ようやく正式に決定した天心(左)と武尊(右)。この両雄の間を持った榊原CEO(中央)が実現の舞台裏を明かした。(C)THE DIGEST

ようやく正式に決定した天心(左)と武尊(右)。この両雄の間を持った榊原CEO(中央)が実現の舞台裏を明かした。(C)THE DIGEST

 ついに格闘史が動いた。12月24日、クリスマスムード一色に染まる東京都内で、K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(SAGAMI-ONO KREST)とデビュー45連勝中の“神童”那須川天心(TARGET/Cygames)の対決がようやく実現した。

“決戦”の言っても過言ではない両者のマッチアップは、さかのぼること6年前の駆け引きが発端だ。武尊に花道に登場した天心が対戦を呼びかけたのだが、そこから両陣営による膠着状態は続いた。

 所属団体の違いや、スポンサー、どこのリングで闘うかなど、さまざまな問題が障壁となった。本人同士の意向は「みんなが望む試合を実現させたい」(武尊)と合致していたが、互いにK-1とRISEの看板を背負うエースだけに交渉は一向に進まなかった。

 そうしたなかで、文字通りの急転直下で対決は決定した。24日に行なわれた会見に同席したRIZINの榊原信行CEOは、「満を持して今日ではない。一昨日、昨日、24時間前まで最終調整をして今日に至るくらいのことだった」と、実現に向けた苦労を漏らした。

「年越しだけはさせたくなかった。でも、本当に両陣営、両選手の想いが複雑に絡み合うんです。当然、武尊選手は大晦日にやりたい。一方で天心はRIZINの舞台でラストマッチをやりたいと考えている。でも、RIZINという場は中立の舞台ではない。そこには矛盾があるわけです。いろんなケースを考えて、両選手の想いをどこで帰着させるかを考えた」
 
 さらに「どんどん時間がなくなるなかで、本当にいろんな調整をしてきた」という榊原CEOは、「発想を変えた」。来年4月にキックボクシングからの引退を宣言していた天心に、延期を持ち掛けたのだ。

「天心には嫌味を言われましたけど、そもそも4月に引退しなきゃいけないの、というところから見直した。これはチーム天心側にだいぶ無理を言った。人間関係がおかしくなる手前ぐらいまでいって、最終的にみんなが理解を示してくれた」

 やるとなった以上は、歴史に残るビッグイベントにする。「格闘技だけじゃない、日本のスポーツ界、世界のエンターテインメントで通用させたい」と目論む榊原CEOは、注目を集める開催場所にも言及した。

「これから会場も東京ドーム、そして国立競技場。『Dynamite!!』で2002年にやらせてもらったことがあって僕も関わらせてもらっていますけれど、昔の格闘技界の歴史のなかで、やれたことなので僕もやりたい。ですが、今の新国立競技場がやらせてくれるか分からないけれども、そういうことを狙えるカードじゃないかな。ワンチャン狙えるんじゃないのってことも含めて最終調整できて発表出来たらいいなと思います」

 はたして、当代屈指のカリスマ同士の対戦はいかなる決着を見るのか。開催場所なども含めた今後の動向から目が離せない。

取材・文●羽澄凜太郎

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