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「速さを身につけたようだ」角田裕毅のF1初年度に各メディアは好印象!本人は「怠け者」からの改善を告白

THE DIGEST編集部

2021.12.24

F1でのファーストシーズンを終えた角田は、最終戦で自己最高の4位入賞を果たした。来季の活躍に期待が高まる。(C)Getty Images

F1でのファーストシーズンを終えた角田は、最終戦で自己最高の4位入賞を果たした。来季の活躍に期待が高まる。(C)Getty Images

 F1でのファーストシーズンを終えたアルファタウリの角田裕毅。鮮烈な印象を与えたデビュー戦バーレーン・グランプリでの9位入賞から、ルーキーゆえの苦しい時期、そして成長を感じさせた終盤戦を経ての、自己ベストとなる4位入賞を果たした最終戦アブダビGPと、その1年はアップダウンに富んでいた。

 多くの代償を払いながら(チームも)、最終的には多くの収穫を得た日本人ドライバーのデビューシーズンをオランダのF1専門ラジオ局『GRAND PRIX RADIO』が振り返り、「彼にとってはベストと言えるシーズンではなかったかもしれないが、最後の幾つかのレースウィークでは非常に調子が良かったことで、多くの人々が今後に向けて角田が可能性を有していることを理解した」と評している。

「冬のテストで、この若い日本人は有望な存在に見え、バーレーンでの初戦ですぐにポイントを獲得した。そのストレートな無線での物言いも人々を楽しませたが、その後はクラッシュが続いた。しかし、(レッドブルのリザーブドライバー)アレクサンダー・アルボンの助けもあって、彼はポジティブな姿勢でシーズンを終えることができた」

 また、チームメイトのピエール・ガスリーとの比較では「予選で勝ったのは1だけであり、決勝でもチームメイトが110ポイントを獲得したのに対して角田は32ポイントに止まるなど、明らかに良い成績ではなかったが、ルーキーが経験のある好調なドライバーと渡り合うのは簡単ではない」と擁護し、「9回の予選Q3進出のうち、6回は最後の7レースで成し遂げたものであり、アブダビでの最終戦ではヴァルテリ・ボッタスを抜き去り、ガスリーの前でゴールをした」と評価すべき点を挙げて、「速さを身につけたようだ」と綴った。

 また、カナダの専門サイト『THE BACKMARKERS F1 SHOW』は、今季のルーキー3人に絞ってその1年目を検証。角田については、F1テクニカルディレクターのロス・ブラウンからも「F1史上最高のルーキー」と最大級の賛辞を受けた後、「強い“成長痛”を味わった」と振り返り、そのパフォーマンスを「年間を通して十分なスピードを示すも、このレベルで必要とされる安定感から程遠く、非常に困難な1年を過ごした」と厳しめに評価した。ただ、終盤戦の改善ぶりはポジティブに捉え、「自信を持って2021年を終えた」と締めている。 
 そして、同メディアが実施したYouTubeとTwitterでの「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」投票では、前者で71%、後者で64.5%が角田を選出したと紹介。残した結果やインパクトでハースのミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンを大きく上回ったことが理由だが、これについては車の性能差があったことを指摘し、「3人の中ではミックが最も安定感があった」と主張。その上で、彼と角田については「F1でも将来成功する可能性は高い」と綴り、マゼピンについては「来季、その価値を示せるか興味深い」と期待を残した。

 このように、各国のメディアが21歳の日本人に様々な評価を下しているが、当の本人はシーズン終了前に今季を振り返って、「シーズン途中に拠点を英国からイタリアに移したことは、レースへの備えを助けてくれました。それ以前の僕は、ただの“怠け者野郎”でした」「(イタリアでは)トレーニングの後は家に直行し、プレステ5をやる毎日でした。それまで、レースへの準備に取り掛かるのが遅すぎました。ルーキーには、経験のあるドライバーよりも多くの準備が必要で」と、反省を込めて語っている(『GPFANS』より)。

 また、「レース後にはファクトリーでレースを分析し、何が問題だったかを知ることで、大きな違いが生まれました」と移住の効果を示した角田。彼については、シーズン前に他のドライバーも注目し、マクラーレンのダニエル・リカルドが「ユウキは成長するだろう」と予想していたが、1年を終えた後、「そうなったかどうかは分からない」と印象を語っている(『SPORTPRAT』より)。評価は来季を終えてから、ということだろうか?

構成●THE DIGEST編集部

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