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格闘技・プロレス

「我々を侮辱したのは中国人だ!」日本人ボクサーに対する“暴行試合”に中国メディアの怒りが続く「台無しにされた」

THE DIGEST編集部

2021.12.28

中国でのエキシビションマッチに臨んだ木村。しかし、危険な行為のオンパレードに彼は悩まされた。(C)Getty Images

中国でのエキシビションマッチに臨んだ木村。しかし、危険な行為のオンパレードに彼は悩まされた。(C)Getty Images

 世界的な批判を浴びる前代未聞のバトルとなった。国際的に問題視されているのが、現地時間12月18日に中国・武漢で開催された「漢武伝説の翔武争覇」と銘打たれたイベントである。

 元WBO(世界ボクシング機関)世界フライ級王者の木村翔が招かれ、中国人格闘家でインフルエンサーでもある玄武と対峙したボクシング戦は、文字通り一線を越えてしまった。試合開始とともにいきなり木村を突き飛ばした玄武が、ボクシングルールに反した暴力行為を重ねたのだ。

 思わぬ攻撃に動揺する日本人ボクサーを抱え上げ、そのまま頭からリングに叩き落とす危険な行為にも転じた玄武。試合後に「ルールがいるのか?」と語った彼のスポーツマンシップを逸脱した行為には、中国国内でも非難の声が噴出し、その大きさは日増しに強まっている。

 現地時間12月23日、中国のポータルサイト『搜狐』は、「中国武術は玄武によって完全に台無しにされた」と銘打った特集記事を掲載。そのなかで「中国におけるボクシングや武道などありとあらゆる格闘技が最も屈辱を受けた」と玄武への怒りを滲ませた。

「中国の武術、ボクシング、格闘技に対する国際的な評価を汚したと言える。玄武は自らが『中国の代表である』と主張し続けているが、このような不誠実な言い訳は、我々を深く傷つける。玄武は基本的なスポーツのルール、競争精神、競争倫理に反し、非常に恥知らずな行動を繰り返した。あらゆる中国人が彼の振る舞いにうんざりしている」
 
 さらに体格差による危険性や試合開催を認めたコミッションに対する批判を展開した同メディアは、レポートの最後をこう結んでいる。

「彼は偽善的な愛国心で、インターネット上での人気を得ようとした。しかし、我々はそうした誇大広告に乗る必要はない。あの試合で我々を侮辱したのは日本人やアメリカ人、イギリス人ではなく中国人だ。愛国心を謳って、たとえ高貴なものだとしても、あの不誠実さは国民を深く傷つけた」

 今もなお、中国国内で批判的な声が高まっている今回の一件。インフルエンサーなどのアマチュア戦士とプロ(元プロを含む)との対戦が危険視されている昨今の格闘界にあって、影響は小さくなさそうだ。

構成●THE DIGEST編集部
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