全３回にわたり掲載する瀬古利彦氏と上野裕一郎監督の対談。これまでは上位の順位予想について話したが、最終回では注目選手やポイントを訊いた。

◆瀬古氏の注目選手
・イェゴン・ヴィンセント（東京国際大）
・田澤廉（駒澤大）
・三浦龍司（順天堂大）
・石田洸介（東洋大）

◆上野監督の注目選手
・イェゴン・ヴィンセント（東京国際大）
・田澤廉（駒澤大）

―――注目選手がほとんど同じということで、彼らの注目ポイントは？

瀬古：ヴィンセント選手と田澤選手は天候次第では区間新が出ると思う。１時間５分台で走るでしょう。

上野：あと２区のコースは、終盤の上りで少しペースが落ちるから、どこまで粘れるかじゃないですか。田澤選手もヴィンセント選手と一緒に襷を受ければ分からないですからね。あと順天堂の三浦選手も２区で起用されて３人が同時にもらえば面白い。むしろヴィンセント選手がちょっと後ろで襷を受けて欲しいですね。最初から一緒のペースだとちょっと厳しいので。

瀬古：そうだね。少なくとも15～20秒のリードは欲しいね。

上野：ヴィンセント選手は３キロを8分15秒あたりで入ってくると思うので、田澤選手と三浦選手は８分30～35秒くらいでゆっくり入って、それ以降は１キロ２分48秒ペース位の落ち着いたタイミングでいくのが一番いいかなと。

瀬古：それが理想だけど、強いんだよ、東京国際の１区の山谷昌也選手も。だから絶対にトップから遅れてこないよ。遅れても10秒くらいだよ。
  上野：となると田澤選手と三浦選手がヴィンセント選手を追う形もあるってことですかね？

瀬古：ヴィンセント選手より後ろで田澤選手らが襷を受けてもいいんじゃない？自分のペースでいけば。下手に一緒に並んで走るより。

上野：タイムはそっちの方が出ると思います。ただ面白さにはちょっと欠けますね、見てる方としては。

瀬古：そうだね。追いつかれて３人で一緒に行くところを確かに見たいよな。可能性はあるからね。そうなったら楽しいよ。ワクワクしちゃう。三浦選手が２区を走ったらどんな走りをするか。下手したら田澤選手に勝っちゃったりしてね。三浦選手が２区に起用されたら面白い。最後の600メートルの苦しい顔を見てみたい（笑）。

上野：絶対に苦しい顔しませんよ（笑）。