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マラソン・駅伝

東京国際のヴィンセントは「花の2区」で再び区間新出せるか?駅伝ライターが明かす怪物の現状【箱根駅伝】

酒井政人

2021.12.31

前回の箱根駅伝では、「花の2区」で圧巻の走りを見せつけたヴィンセント。区間新記録・区間賞を獲得した。写真:JMPA

前回の箱根駅伝では、「花の2区」で圧巻の走りを見せつけたヴィンセント。区間新記録・区間賞を獲得した。写真:JMPA

 箱根駅伝ですっかりお馴染みとなったケニア人留学生。気づけば、現在は多くの大学に外国人選手が所属。今年10月の予選会では過去最多12人のケニア人ランナーが出場し、箱根駅伝2022でも6人のケニア人選手が出走を予定している。

 1989年に山梨学大のジョセフ・オツオリが登場して以来、約30人の留学生ランナーが箱根路を駆け抜けてきた。そのなかでも東京国際大のイェゴン・ヴィンセント(3年)は「史上最強留学生」の呼び声が高い。

 前々回は3区(21.4キロ)で区間記録を1分59秒も短縮する59分25秒。前回は2区(23.1キロ)で東洋大・相澤晃(現・旭化成)が前年に打ち立てた驚異的な区間記録を8秒塗り替える1時間5分49秒で走破している。

 記録の短縮はシューズの進化も大きいが、同じ区間を走った同学年の“日本人エース”駒大・田澤廉とのタイム差にヴィンセントの「凄さ」が表れている。1年時の3区は2分00秒、2年時の2区は1分38秒という大差をつけているのだ。
 
 ヴィンセントは過去2回の箱根駅伝をナイキ厚底シューズで出走したが、今季はアディダスの厚底シューズに履き替えている。10月の出雲駅伝は最終6区(10.2キロ)を悠々と駆け抜けて区間賞。“安全運転”の走りで、初優勝のゴールに飛び込んだ。区間2位の駒大・田澤廉(3年)に21秒差をつけた。

 11月の全日本大学駅伝は3区(11.9キロ)に出場して6位から一気にトップを奪った。10000メートルで27分25秒65を持つ拓大のジョセフ・ラジニ(3年)に35秒、日本人トップの岸本大紀(青学大3)に1分09秒という大差をつけての区間賞。東洋大・相澤晃(現・旭化成)が保持していた区間記録を15秒も塗り替えた。

 12月4日の日体大長距離競技会10000メートルでは日本人学生最高の27分23秒44(日本歴代2位)をマークした田澤に先着を許すも、27分24秒42の自己ベストで走っている。ヴィンセントは2年時の日本インカレ10000メートルでも途中棄権して、田澤に“完敗”しているが、本気を出したときのヴィンセントは他の留学生とレベルが違う。
 
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