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ネイサン・チェンがフリーの演技中に2度転倒!現地紙記者も驚きのトラブルに、本人は「愚かなミス」と反省、原因を明かす

THE DIGEST編集部

2022.01.10

演技後のチェン。ミスはあったが、6度目の全米王者に輝いた。 (C)Jay Adeff/U.S. Figure Skating

 現地時間1月9日、テネシー州のブリヂストンアリーナでフィギュア全米選手権の4日目が開催。男子シングルのフリースケーティング(FS)が行なわれ、ネイサン・チェンが6度目の同部門制覇を決めた。

 ショートプログラム(SP)で115・39点を獲得し、首位スタートを切ったネイサン・チェンは、過去にも採用した『ロケットマン』で、4回転ジャンプ5本を組み込んだ構成で演技した。

 冒頭の4回転フリップ+3回転トゥループに続く4回転フリップ(予定では4回転トゥループ)は着氷時に転倒。しかし、その後の4回転サルコー、4回転ルッツ、後半の4回転トゥループ+オイラー+3回転サルコー、トリプルアクセル、3回転ルッツ+3回転トゥループを着氷した。

 さらには、コレオシークエンスで足が絡まり、再び転倒と珍しいミス。だが、伸びやかなスケーティングで演技をまとめ、212・63点を獲得、総合328・01点で優勝し、北京五輪代表の座も手にしている。

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 ただ、2度の転倒に現地紙『New York Times』のジュリエット・マキュア記者は「ちょっとしたサプライズ。2回目の転倒後、べたっと氷に顔面着氷したチェンは、まるで『アア!』と天を仰ぐような仕草をアドリブで振る舞った。だが、まあ彼の演技を完璧でなかったことを気にする人はいないだろう」と驚きながらも、観客を笑顔にしたその振る舞いを称えている。

 ちなみに本人は試合後の記者会見で「愚かなミス」と振り返り、「二度とこんなことがないようにする」とコメント。「バカなことはよくある。ステップに巻き込まれ、足がすくんでしまった。ちょうどジャッキー(・ウォン記者)と目が合って、顔から落ちてしまったんだ」とジョークをまじえて明かし、名物記者であるウォン記者との交流を温める余裕も見せた。

 とはいえ、チェンは股関節に痛みを抱えて万全の状態とは言えなかったと報じられている。さらに、現地での新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、用意されたホテルではなく、自身のチームで一軒家を借り上げ、自主的なバブル(隔離)状態で臨んでいたようだ。

 世界的にも情勢が不安定ななか、チェンは北京五輪に挑むことになる。悔しい思いをした平昌五輪からの4年間、強くあり続けた22歳のスケーターの挑戦は、決戦の舞台でどのように結実するだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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