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全米選手権2位の選手が五輪代表漏れ。「大きな可能性を秘めていた」五輪5位を狙える結果残すもベテランを選出に物議

THE DIGEST編集部

2022.01.12

全米選手権で衝撃のデビューを果たしたマリニン。(C)Getty Images

全米選手権で衝撃のデビューを果たしたマリニン。(C)Getty Images

 2月4日に開幕する北京五輪の代表選考が、小さくない波紋を呼んでいる。

 フィギュアスケート男子シングルのアメリカ代表を決める全米選手権で、17歳のイリア・マリニンが世界王者のネイサン・チェンに次ぐ2位でフィニッシュ。ところが、五輪メンバーからは漏れ、1位のチェン、3位のヴィンセント・ジョウ、4位のジェイソン・ブラウンの3人が選出された。

 ジュニアで数々のタイトルを獲得してきた17歳は、実はこの大会がシニアナショナルデビュー戦。4本の4回転をはじめとする全てのジャンプを着氷させ、堂々の銀メダルに輝いた。代表選考の最重要な位置づけ大会にも関わらず、マリニンは補欠。そして4位のブラウンが代表入りを果たした。

 これにはSNSのファンを中心に議論が巻き起こっている。米放送局『ABC News』は、「全米スケート連盟は、北京五輪のために若者よりも経験者を選んだ」と題した記事を掲載。マリニンの演技については「彼は難しい4回転ルッツ、4回転トゥループ、4回転サルコーなど全てのジャンプで観客の目を引きつけ、五輪候補に名乗り上げた」と評した。
 
 今大会でマリニンが叩き出した計302.48点は、昨シーズンのグランプリ(GP)シリーズのアメリカ大会で自身がマークした得点より80点近く高く、「ここまでのスケートが出来ると思っていなかった」と本人も大会後に驚いていたほどだ。

 一方、4位ながら選出されたブラウンは、昨年10月のフィンランディア杯で優勝、GPカナダ大会ではチェンに次ぐ2位、フランス大会は3位と安定した結果を残している。同メディアは「自称、“4回転の神”だが、まだブラウンほど洗礼されていない」とベテラン選択に至った理由を綴った。

 旧ソ連出身の両親のもとで生まれたマリニン。彼のルーツであるロシアの日刊紙『Sport-Express』では、「五輪でメダルはあり得ないが、最低でも5位を保証する優れた結果だった。過去3回の世界選手権では銀メダルも十分狙えていた」と伝えたうえで、こう続けた。

「17歳の神童は、最高の場所のために戦う準備ができているだけでなく、成長の大きな可能性を秘めている」

 この代表選考に関する議論はまだ止みそうもない。しかし選ばれた3選手が大舞台で見せる結果が、マリニンの価値をより高めることに繋がるのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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