オミクロン株の感染拡大が続くなかで開催されている北京五輪は、選手に外部との接触を断ついわゆる「バブル方式」が取られている。しかし、それでも陽性反応が出る選手や関係者の報告が絶えない。
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厳格な体制が取られているなかで、検温で37.3度以上となった選手は、症状がある場合は病院に移送。無症状の場合は中国政府が用意したという隔離施設へと収容される。いずれも選手村からの離脱を強いられている。
この隔離施設が問題視されている。英紙『The Guardian』は、移送された選手たちのコメントを紹介し、「悲惨」と言える現状を指摘した。同紙が紹介したのは、女子スピードスケートのポーランド代表ナタリア・マリジェフスカの訴えだ。
現地時間2月5日のショートトラック500メートルに出場予定だった26歳だが、直前に新型コロナウイルスの感染が判明。無症状だったために隔離施設に移動したのだが、そこで「涙も枯れるほどの恐怖」に直面したという。
「私はここで気分の浮き沈みに苛まれ、恐怖を感じながら生活している。涙が出なくなるまで泣いて、周りの人だけでなく、私自身が自分に『大丈夫?』と思ってしまうほどになった」
その後のPCRテストの結果、マリジェフスカは手違いによって施設に移送されたと判明。これには「もうありえないほどの冗談」と怒りを交えて主張している。
「午前3時に知っているスタッフのみんなが私を迎えに来てくれたんだけど、この夜は恐怖で眠れなかった。あの施設にまた戻されるんじゃないかとか、カーテンの奥から誰かが監視していると思ってしまった。私にとっては脅威に感じる出来事だった。全くもって理解ができないことばかりで、PCRテストも、オリンピックも、信じられない。私の心も気持ちも、もうこれ以上は耐えられない」
4年に一度の大舞台で得意種目に、まさかの“手違い”で立てなかったマリジェフスカ。メンタル面の問題が不安視される彼女は、現地時間2月9日に開催される3000メートルリレーに出場予定となっているが、はたしてリンクに立てるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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