ロシアの超新星が北京の舞台で躍動した。

　現地時間２月７日、北京五輪のフィギュアスケート団体戦３日目が行なわれ、ロシアオリンピック委員会（ROC）のカミラ・ワリエワが、最終種目となる女子フリーに出場。178・92点という高得点を叩き出し、ショートプログラム（SP）に続く１位に。ROCに同競技での２大会連続となる金メダルをもたらした。

　挑んだのは、４回転ジャンプを３本、トリプルアクセルを含む高難度のプログラム「ボレロ」。今大会が五輪初挑戦となる15歳は、堂々たる演技で、冒頭の４回転サルコーからのトリプルアクセルを着氷。続く４回転トゥループ＋３回転トゥループ、３回転ループも軽々とランディング。３本目の４回転ジャンプとなる４回転トゥループで転倒したものの、その後は３回転ルッツを、３回転トゥループを加えたコンビネーションジャンプに変更してリカバリした。

　本人は演技直後に膝を抱えて悔しさを露わにした。だが、女性スケーターとしては五輪史上初となる４回転サルコー、４回転トゥループを２度も着氷するという偉業を成し遂げた15歳には、母国メディアや識者からも感嘆の声が上がっている。

【北京五輪PHOTO】驚異の90.18点で衝撃的な五輪デビュー！ロシアが誇る逸材カミラ・ワリエワ！ 　元アイスダンスの世界王者で、ソルトレイクシティ五輪銀メダルの実績を持つイリヤ・アベルブフ氏は、地元メディア『Sport24』の取材に対し、「ワリエワは本当にフィギュアスケート史上最高の神童だよ」と褒めちぎった。

「彼女は毎回のように自分が設定した高すぎると思えるハードルを難なく超えていく。その繊細さ、才能、チャンピオンらしさ、そのどれをとっても彼女は凄い。間違いなく氷上の天才なんだ。世界最高のコーチングスタッフが育て上げた理想的なスケーターと言える」

　現在は振付師として活動するベルブフ氏は、「ワリエワは神様にキスされた選手だ。全てが上手くいくんだ」と熱弁をふるった。そして「もうブラボーと言うほかにない。無論、個人戦でも金メダルの最右翼だろう。しかし、迫りくる多くのナーバスな事柄にいかに対処するかが、重要になる」と指摘した。

　２月15日にショートプログラム、17日にフリースケーティングが行なわれる女子シングルの個人戦。その檜舞台でも、ワリエワの飛躍から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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