北京五輪のスキージャンプ日本代表、佐藤幸椰が愛情溢れるエールを僚友に贈った。

　２月７日、北京五輪のスキージャンプ男女混合団体が行なわれ、日本は惜しくも４位に終わった。高梨沙羅の１回目のジャンプがスーツ規定違反によって失格とジャッジされ、その後にチーム一丸となって追い上げたが一歩及ばず。涙に暮れる高梨に対して、国内外から励ましのメッセージが殺到するなか、選手本人は翌８日にインスタグラムを更新し、謝罪の言葉を綴った。

　以下がその全文だ。

「日本チームを応援して下さっている全ての皆様

　今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。

　私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。

　謝ってもメダルは返ってくることはなく責任が取れるとも思っておりませんが今後の私の競技に関しては考える必要があります。それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。

　そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。

　この度は本当に申し訳ありませんでした。高梨沙羅」

　さらに「私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、どうかスキージャンプとゆう素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います」と書き添えた。
 
　この悲痛な投稿に対して、世界中から６万件を超えるメッセ―が寄せられ、その大半が高梨に対する激励のメッセージだった。そんななか、混合団体メンバーの佐藤が公式ツイッターを更新。あえて高梨の名を出さず、次のように想いを明かした。

「なにひとつも奪われてなどいない。
　
　本物のファンは失望などしない。
　
　絶望しない限り、希望は失われない。
　
　あなたのジャンプが多くの方の人生を明るく変えたことはあっても、私の人生を変えた事実などどこにも存在しない。
　
　責任を取る必要もない。もちろん反省も。
　
　スキージャンプであなたがもたらした喜びは数えきれない。だからスキージャンプには今もこれからもあなたが必要。
　
　時間はかかっても、顔を上げて周りを見渡して欲しい。
　
　そこにはあなたが与えた喜びで満たされた沢山の人がいる」

　そして「さぁ、今日も私は良い準備をします」と記して、２月９日の公式練習に臨んだ。

　佐藤のほか、男子ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林陵侑、小林潤志郎、中村直幹を擁する男子代表チームは２月11・12日にラージヒルを、14日には男子団体を戦う。メダル奪取に期待がかかる。

構成●THE DIGEST編集部

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