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フィギュア

「アメリカと日本は頭ひとつ抜けている」ロシアの元王者が男子フィギュアに感嘆!「ハニュウはサポートが不十分だった」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.13

4年前の悔しさを最高の結果で塗り替えたチェン(左)、過去2大会を制した羽生(右)。彼らがけん引したフィギュア界は凄まじいスピードで発展している。 (C)Getty Images

4年前の悔しさを最高の結果で塗り替えたチェン(左)、過去2大会を制した羽生(右)。彼らがけん引したフィギュア界は凄まじいスピードで発展している。 (C)Getty Images

 熱戦が繰り広げられた北京五輪のフィギュアスケートの男子シングル戦は、アメリカのネイサン・チェンが悲願の金メダルを手にした。次いで2位に日本の鍵山優真、3位に宇野昌磨と続き、羽生結弦は4位となった。
 
 フィギュア大国であるロシアでは、この結果をどう受け止めているのか。アイスダンスの元世界王者、ソルトレーク五輪で銀メダリストであるイリヤ・アベルブフ氏は、現地メディア『sports.ru』の取材に、「競技のレベルが非常に高く、上位は宇宙レベルの戦い。正直に言うと、アメリカや日本のスケーターたちの演技には感心させられる。頭ひとつ抜けている感じだ」と熱弁した。

 現在は振付師としても活躍している同氏は、記者から「これからはチェンの時代かと思うか?」と問われると、「わからない」と返答。そして、こう続けた。

「彼はフィギュアスケートだけの人生を選ばないのではないか、ということは話題になっている。彼は勉強したいのだよね。でも、五輪のメダルを獲りたがっていたことは確かで、そのために休学もした。これからは、競技から離れるのかもしれない。そうとなったら、フィギュアスケートにとっては大きな喪失だ。素晴らしいスケーターだよ」

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 また、4回転アクセルに挑んだ羽生については、「良い形でのチャレンジ。だが、きっとこれから彼の後を追う選手も出てくることだろう」と持論を展開した。

「ひとつ不思議だったのが、なぜハニュウがコーチを断り、ひとりで練習して北京入りしたのか、私は分からなかった。あの状態では心理的なサポートは十分とは言えなかったのではないか。彼は五輪に2度出場し、高く評価を受けている。幻想的な音楽性を兼ね備え、氷の上では完璧だ。私とも通じる部分があると思ってる(笑)。だからこそ、彼がひとりでいたことは気になったよ」

 加えて、8位で終えたエフゲニー・セメネンコ、15位のマルク・コンドラチュク、23位のアンドレイ・モザリョフ、3人のロシアから参加した選手にも惜しみない賛辞を送っている。

「セメネンコは自分の能力を発揮した、素晴らしい選手。コンドラチュクは団体戦の後、完全に回復する時間がなかったことが悔やまれる。本来の出来なら、セメネンコに並ぶ成績は収められる実力はあった。ストレスが多い今シーズンをうまく乗り切っていると思う。団体戦での躍進は素晴らしかった。モザリョフも含めて、今後の彼らに期待したい。ピークは過ぎたか? それは分からない」

 羽生が2度制した後、チェンが王者に輝いた。4年後に、五輪の頂点に立つのは誰になるのだろうか。今から興味は尽きない。

構成●THE DIGEST編集部

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