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「最後に何というドラマだ」小林陵侑の“二冠”が阻まれた逆転劇に英メディアが感嘆!「目に見えないわずかな差だった」

THE DIGEST編集部

2022.02.14

小林も素晴らしいパフォーマンスを見せたが、今回はノルウェーの
リンヴィクに軍配が上がった。(C)Getty Images

 北京五輪9日目の2月12日、ノルディックスキーのジャンプ男子個人ラージヒルの決勝が行なわれ、小林陵侑(土屋ホーム所属)がマリウス・リンヴィク(ノルウェー)に次ぐ2位で銀メダルを獲得した。

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 ノーマルヒルの金メダリストは二冠を狙って同種目に臨み、1回目でヒルサイズ越えの142メートルという大ジャンプの上にテレマークも決めて147点でトップに立つ。続く2回目も138メートルを飛んで合計ポイントを292.8点まで伸ばしたが、2回目で151.3点を加えたリンヴィクに僅差での逆転を許すこととなった。

 惜しくも史上4人目の個人二冠は達成ならずも、日本人選手として1998年長野五輪の船木和喜(ラージヒル金、ノーマルヒル銀)以来となる1大会個人2つ目のメダル獲得を成し遂げた小林は「嬉しい。本当に2本とも良いジャンプができたと思うので。1回目はタイミングと風の状況もすごく落ち着いていた。2回目はちょっと空中でバタついた気がしたが、やれることはできたので、すごく良かった」とポジティブに振り返ると、14日に行なわれる男子団体に向けて「ビッグジャンプを見せたい」と意気込んだ。

 この25歳の偉業について、IOC(国際オリンピック委員会)はSNSで「日本のコバヤシが2位に入り、今大会自身2つ目のメダルとなる個人ラージヒルの銀メダルを母国に持ち帰った」と伝え、FIS(国際スキー連盟)は公式サイトで小林のノーマルヒルに続くメダル獲得を報じた他、リンヴィクの「リョウユウとは本当に僅差であり、何が違いを生んだのか見分けるのは難しく、自分には分からない」とのコメントを紹介している。
 
 このリンヴィクとの熾烈な争いは各国のメディアを興奮させ、ライブ速報を行なっていた英国の日刊紙『The Guardian』は1回目で小林が大ジャンプを見せると「信じられない147ポイントで2位に2.2ポイントのリード。金メダルに必要なのは2回目で無事に着地することだろう」として、トップを守る可能性が高いと見ていたようだが、2回目の後に「二冠に向けてのジャンプだったが、それは成らず。目に見えないわずかな差で彼は獲り逃した。最後に何というドラマだ……」と綴った。

 このように、この23歳のノルウェー人が小林の勝利を阻んだ、というのがメディアの大方の報じ方であり、オーストラリアの通信社『aap』は「リンヴィクは強大なコバヤシに衝撃を与えた」と伝えている。

 一方、欧州の放送局『EUROSPORT』では、元金メダリストであるマルティン・シュミットの「最初のジャンプは完璧だった。2回目は離陸が遅れたことで、安定せず、速度を得られなかったことで数メートルを失った。リョウユウにとっては素晴らしい大会だったが、今日に限ってはもうひとりの選手(リンヴィク)の方が良かった」とのコメントを紹介した。

構成●THE DIGEST編集部

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