２月７日に行なわれた北京冬季オリンピックのスキージャンプ混合団体で、日本の高梨沙羅ら４か国５人の選手がスーツの規定違反という理由で失格となったことは、世界中で大きな物議を醸すこととなった。

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　２回目のジャンプで違反を宣告されたノルウェーのシリエ・オプセットは「全く異なる方法でスーツを測定が行なわれ、これまでとは違う方法で立つように言われた」と明かしており、オーストリアのシュテファン・ホルンガッハー監督は「何の説明もない」「前日のノーマルヒルでは何の問題なかった」と、統括機関への疑問や不信感を露にした。

　他にも、ドイツ・スキー連盟のマネジャー、ホルスト・ヒュッテルは「笑えないパロディー。このようなことが４大ジャンプ国に起こるとは、とんでもないことだ」と語り、スウェーデンのロベルト・ヨハンソンが「完全にクレイジー」と批判したこのスキャンダルとも呼べる事態に対し、欧州の放送局『Eurosport』は「茶番劇」と酷評したが、他の多くのメディアがネガティブにこれを伝えている。
  　高梨は自身のSNSで「日本チームのメダルのチャンスを奪ってしまった」と謝罪して多くの励ましを受け、同じく失格処分となったドイツ代表のカタリナ・アルトハウスは「FIS（国際スキー連盟）は女子ジャンプを台無しにした。私は11年間にわたって常にユニホームのチェックを怠らなかった。160回のワールドカップ、５回の世界選手権、３回の五輪の後、初めて失格になった。本当に心が痛んでいる」と潔白であることを主張した。

　この事態は、メダリストたちの栄光にも暗い影を落とす結果となり、２位に110点以上の差をつける圧倒的な強さで同種目の初代王者となったスロベニアのペテル・プレブツは「失格となった各選手の記録が認められていたとしても、我々がトップだった」、ジャンプ競技で初めてメダルを獲得したカナダ（３位）のアビゲイル・ストレートは「このメダルがほろ苦いものだとは思わない」と、それぞれ失格騒動を意識したコメントを強いられることとなった。