着氷はできなかったが、歴史的なチャレンジだった。
去る2月10日、熱戦が繰り広げられた北京五輪フィギュアスケート男子シングルのフリースケーティング(FS)で、日本の羽生結弦は、前人未到の“4回転アクセル”に国際大会で初挑戦。惜しくも着地で転倒したが、ジャッジでは回転不足ながらISUの公認大会で史上初めて4Aと認定された。
【PHOTO】日本のアイス・プリンス!羽生結弦のシニアデビューから現在をプレイバック!
決して万全のコンディションではなかった。9日の練習中に4回転アクセル(4回転半ジャンプ、クワドアクセル)で転倒して右足首をねんざ。当日も痛み止めを打って臨んでいた。それでも14日に行なわれた記者会見において羽生は、「僕の心の中にいまも9歳の自分がいて、あいつがずっと『跳べ』と言っていた」と独特な表現で振り返った。
もっとも、周囲からは挑戦に反対する声もあがっていたという。元ロシア代表のアレクセイ・ミーシンは、母国メディア『SPB Dnevnik』の取材で、FSの前日に本人に「4回転アクセルを飛ぶべきではないと告げた」と明かした。
ミーシンはロシア・フィギュア界の偉人だ。現役引退後は指導者として後進の育成に従事し、アレクセイ・ウルマノフ、アレクセイ・ヤグディン、エフゲニー・プルシェンコといった世界屈指の名手たちを育て上げてきた。
80歳になる御大は、競技前日に羽生に会った際に「私はユヅルと話し、『4回転アクセルはライバルたちを喜ばせるだけだからやるべきではない』と話した」と告白し、日本のエースからの回答も明かした。
「だが、彼は『3度のオリンピック王者としてだけではなく、4回転アクセルを成し遂げて、フィギュアスケート界の未来への扉を開いた者として歴史に名を刻みたい』と言ったんだ。心底驚かされた。結局、成功はしなかった。だが、彼のフィギュアスケート界に対するここまでの貢献が失われることはない」
フィギュア界の偉人をも驚かせた羽生。14日の会見で「これからも羽生結弦として、羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら極めて行けたらいいなと思っています」と語った“氷上のプリンス”から、まだまだ目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
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【北京五輪PHOTO】世界初の4回転半挑戦!北京で攻めの姿勢貫き4位フィニッシュの羽生結弦!
去る2月10日、熱戦が繰り広げられた北京五輪フィギュアスケート男子シングルのフリースケーティング(FS)で、日本の羽生結弦は、前人未到の“4回転アクセル”に国際大会で初挑戦。惜しくも着地で転倒したが、ジャッジでは回転不足ながらISUの公認大会で史上初めて4Aと認定された。
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決して万全のコンディションではなかった。9日の練習中に4回転アクセル(4回転半ジャンプ、クワドアクセル)で転倒して右足首をねんざ。当日も痛み止めを打って臨んでいた。それでも14日に行なわれた記者会見において羽生は、「僕の心の中にいまも9歳の自分がいて、あいつがずっと『跳べ』と言っていた」と独特な表現で振り返った。
もっとも、周囲からは挑戦に反対する声もあがっていたという。元ロシア代表のアレクセイ・ミーシンは、母国メディア『SPB Dnevnik』の取材で、FSの前日に本人に「4回転アクセルを飛ぶべきではないと告げた」と明かした。
ミーシンはロシア・フィギュア界の偉人だ。現役引退後は指導者として後進の育成に従事し、アレクセイ・ウルマノフ、アレクセイ・ヤグディン、エフゲニー・プルシェンコといった世界屈指の名手たちを育て上げてきた。
80歳になる御大は、競技前日に羽生に会った際に「私はユヅルと話し、『4回転アクセルはライバルたちを喜ばせるだけだからやるべきではない』と話した」と告白し、日本のエースからの回答も明かした。
「だが、彼は『3度のオリンピック王者としてだけではなく、4回転アクセルを成し遂げて、フィギュアスケート界の未来への扉を開いた者として歴史に名を刻みたい』と言ったんだ。心底驚かされた。結局、成功はしなかった。だが、彼のフィギュアスケート界に対するここまでの貢献が失われることはない」
フィギュア界の偉人をも驚かせた羽生。14日の会見で「これからも羽生結弦として、羽生結弦が大好きなフィギュアスケートを大切にしながら極めて行けたらいいなと思っています」と語った“氷上のプリンス”から、まだまだ目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
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