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「重圧が凄かった」韓国の“メガネ先輩”が涙ながらに明かした魂の叫び。「人気が下火になった」と苦悩も【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.18

日本での知名度を高めた印象のキム・ウンジョン。またシビれるような日韓戦が再演されるか。(C)Getty Images

 最後まで不安定な戦いぶりを修正できず、無念の予選敗退に終わった。

 現地2月17日、北京五輪・女子カーリングの1次リーグは最終ラウンドを迎え、それまで4勝4敗の韓国は強豪スウェーデンと対戦。3位の日本がスイスに敗れたため、勝てば逆転でベスト4進出が決められたが、惜しくも4-8で敗れ去り、2大会連続のメダル獲得は果たせなかった。

 登録された5選手すべての苗字が同じで、韓国国内では「チーム・キム」と親しまれる。その中心的役割を担ってきたのが、名スキップで"メガネ先輩"のニックネームも有名な、キム・ウンジョンだ。いつもはポーカーフェイスが代名詞の彼女だが、さすがに試合後のミックスゾーンでは込み上げる涙を抑え切れなかった。

 絞り出すように、「今日の試合では集中力が足りず、小さなミスもいくつかありました。なんとか食らいついて最後は勝利を収めたかったのですが……。思うようにいかず残念です」と語り、「大会を通して、チームの努力にはとても満足しています」と仲間を労った。

 4年前、地元開催の平昌五輪で快進撃を続け、銀メダルに輝いた。国内でカーリング熱が沸騰し、キム・ウンジョンは瞬く間に時のひととなる。同年7月に結婚して公私とともに充実に日々を送るかと思われたが、11月になって積年の悩みを激白。大韓カーリング競技連盟や当時の副会長、監督らに辛辣なパワハラを受けてきたことを明かし、「チーム・キム」が稼いだ賞金の横領なども発覚する一大スキャンダルに発展した。

 チームはその後に成績が落ち込み、キム・ウンジョンが産休に入るとさらに低迷。連盟との関係もギクシャクするなか、所属先が見つからない日々も続いたという。それでもリーダーのウンジョンが復帰すると不死鳥のごとく蘇り、江陵市役所で再起。北京五輪を目前に控えてなんとか国内予選を制し、代表権を奪還した。
 

 2歳の息子を持つ31歳は「韓国でのカーリング人気が下火になってしまった時期もあった」と苦難の日々を振り返りつつ、「もっと魅力を伝えなければいけない。そのなかで、楽しくプレーしていた4年前とは違って凄い重圧がかかっていたのは事実です」と率直な想いを吐露した。韓国メディアによると、連盟との信頼関係はいまだ回復されたとは言い難い状況のようだ。

 1次リーグの日本戦では圧巻のチームパフォーマンスを披露して、ロコ・ソラーレの前に立ちはだかった「チーム・キム」。メガネ先輩はショット成功率90%をマークして、ライバルである藤澤五月を凌駕した。

 すっかり注目度が高くなったカーリング女子の日韓戦。まだまだその再戦を期待するファンは少なくないはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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