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「なぜ諦めたの? 説明しなさい!」ワリエワを詰問するエテリコーチに海外メディアも絶句「想像してみてくれ」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.18

演技を終えた後、エテリコーチの隣で、ワリエワは泣き崩れた。(C)Getty Images

演技を終えた後、エテリコーチの隣で、ワリエワは泣き崩れた。(C)Getty Images

 果たして、それは指導の一部と言えるのだろうか。

 2月17日、北京五輪のフィギュアスケート女子シングルのフリースケーティングが行なわれ、ロシアオリンピック委員会(ROC)のアンナ・シェルバコワが初優勝。2位には同じくROCのアレクサンドラ・トゥルソワ、3位は坂本花織が入った。

 一方で優勝候補として注目されたカミラ・ワリエワはFSでミスを連発。首位に立ったショートプログラムで得たリードを守り切れずに、表彰台入りを逃した。
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 もっとも、その精神状態は万全ではなかったのかもしれない。ワリエワは、昨年12月に行なわれたロシア選手権で採取された検体からドーピング違反物質が検出されたと発表されたが、北京五輪への継続出場をスポーツ仲裁裁判所が許可。ドーピング使用の疑いが晴れないままの参加に、世界的な波紋が広がっていた。
 
 その精神的なプレッシャーは間違いなく15歳の演技に影響した。だが、そんなワリエワに対して、エテリ・トゥトベリーゼコーチが見せた行動が、世界中で注目を集めている。
 
 赤と黒が交じり合った衣装で舞った『ボレロ』でワリエワは、得意の4回転ジャンプやトリプルアクセルなどが全く決められず。演技を終えた後も、ぼう然としたような表情を浮かべた。そして覇気のない俊英を、トゥトベリーゼコーチは、真っ先にリンクサイドで出迎えた。

 この時の会話を欧州スポーツ局『EUROSPORTS』が報道しているのだが、日ごろから厳しい指導で知られる敏腕コーチは、「なぜ戦うのをを諦めたの?」と、ワリエワに説いたというのだ。

「アクセルの後、戦うのを放棄したわね。なぜそうしたの。説明しなさい。なぜ?」

 これに対し、ワリエワは反論せずに、足早にキス&クライに向かった。しかし、そこでもトゥトベリーゼコーチと振付師のダニイル・グレイヘンガウスに挟まれ、ふたりから何事か言われ続けた15歳は、得点が表示されるやいなや、顔を覆って泣き崩れた。その間に、トゥトベリーゼコーチがその肩に手を回す様子も見られた。

 だが、同コーチの態度には海外メディアからも疑問の声が上がっている。米メディア『Sports Illustarated』は、「想像してみてくれ。15歳がこの状態で何を言えるのか。悪名高く、厳格なコーチ、エテリ・トゥトベリーゼが、2度転倒してメダル争いから脱落した少女に厳しい言葉をかけるのをカメラは捉えていた」と嘆いている。

 また、米紙『New York Post』は、米放送局NBCに出演していた、元フィギュア選手でコメンテーターのタラ・リビンスキー氏がこのように語ったと伝えている。

「私は、このことがカミラにとってどれほど大変なことか想像できない。大人がよりよい決断を下し、彼女を導き、彼女のために存在することができなかったことに怒りを覚える。彼女はまだ15歳。フェアではなかった。けれど、オリンピックで滑ることも、許されるべきではなかった」

 競技は終わったが、ドーピング違反に関する問題は依然として残っている。15歳がふたたび晴れやかな表情で氷の上に現れる日は、訪れるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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