15歳を襲った悲劇が世界に衝撃を与え続けている。北京五輪の大会期間中にドーピング問題が浮上し、その疑惑が晴れぬまま、フィギュアスケート女子シングルを戦ったカミラ・ワリエワ（ロシアオリンピック委員会＝ROC）だ。

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　２月17日のフリースケーティング（FS）でらしくないミスを連発し、合計224・09点の４位に沈んだワリエワ。演技直後にはコーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏から「なぜ諦めたの？ 説明しなさい！」と詰め寄られる場面もあり、キス＆クライではあふれる涙がこらえきれなかった。

　一方で、逆転で金メダルをつかみ取ったのは、同胞のアンナ・シェルバコワ（ROC）だった。そんな17歳は、19日に地元放送局『チャンネル1』のインタビューで、フリーを終えた夜にワリエワと話し合う機会があったと明かした。
  　まず、FS前の心境について「自分のことばかり考えていた」と振り返った五輪女王は、「プログラムを終えた後にカミラの滑りを見た」と告白。「彼女のトレーニングをすべて見てきたし、その多くをともにしてきた一人間として、無関心ではいられない」と思いを語った。

　さらに「もちろん、彼女たちが滑っているのを見ているときは、同じように感情を味わう」と話したシェルバコワは、FSの夜に「カミラと心から話し合った」と明かした。気になる内容については、「ふたりの間だけにとどめておきたい」と打ち明けなかった。

　温かい先輩の支えを励みとし、失意の天才スケーターは立ち直ることができるだろうか。まだコーチ陣、チームドクターといった関係者への調査は続いており、違反の有無も確定していない段階だが、いまはただワリエワに与えられた心のダメージが癒えることを願うばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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