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フィギュア

“皇帝”プルシェンコ、元教え子トゥルソワの課題を指摘!「金メダルを取りたいならコーチの言うことを聞け」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.21

エキシビションでは吹っ切れたような表情を浮かべたトゥルソワ(右)。そんな17歳にかつての指導者でもあるプルシェンコ(左)が意見した。(C)Getty Images

エキシビションでは吹っ切れたような表情を浮かべたトゥルソワ(右)。そんな17歳にかつての指導者でもあるプルシェンコ(左)が意見した。(C)Getty Images

 優勝候補に挙げられたカミラ・ワリエワ(ロシアオリンピック委員会=ROC)のドーピング騒動が波紋を広げた北京五輪の女子フィギュアスケート。競技外の問題が連日クローズアップされた大会にあって、奇しくも存在感を放ったのが、同胞のアレクサンドラ・トゥルソワ(ROC)だ。

 五輪初参戦となる17歳が見せた演技は歴史的なものだった。とりわけ17日に行なわれたフリースケーティングでは、4回転ジャンプを5本も成功。本人が「感無量でした」と手応えを語った通り、技術点は106・16点と男子のトップ選手と肩を並べる高得点となった。

 しかし、2日前のショートプログラムでの出遅れが響き、トゥルソワの最終的な順位は2位。結果を知った瞬間に、金メダルを確信していた彼女は、コーチであるエテリ・トゥトベリーゼの抱擁を拒絶し、さらに「こんなスポーツなんて嫌い! もう氷の上には戻らない」とまくし立て、小さくない物議を醸した。

 表彰式でも、どこか不満げな表情を浮かべた。そんなティーンエージャーの一連の振る舞いを「問題があったと言えるね」と指摘したのは、元ロシア代表で、2006年トリノ五輪の覇者であるエフゲニー・プルシェンコだ。

 2020年5月から約1年、トゥルソワを指導していたロシア・フィギュア界の“皇帝”は、母国メディア『RIA Novosti』のインタビューで、「トゥトベリーゼと彼女のスタッフは、サーシャ(トゥルソワの愛称)を完全に管理することはできなかった」と敗因を指摘。愛弟子が抱える問題点にも言及した。

「彼女の性格に対応するのは容易いことじゃない。サーシャは、自分の滑りの難易度を下げることを嫌うスケーターだ。昨年の3月に開催されたストックホルムでの世界選手権でも、彼女はSPでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功できず、3位となった。その時に私が、『そんなリスクを冒す必要はない』と言ったら、彼女は怒って、『あなたが私を迷わせた』と言ってきたんだ」
 

 さらに、「4回転ジャンプを5本も飛ばなくても、彼女は間違いなくオリンピックで勝つことができたと思う」と語ったプルシェンコは、こうメッセージを送った。

「サーシャが私を信じてくれるかどうかわからないが、あの子のスポーツ人生は始まったばかりだ。私は彼女が、オリンピックでの一度の失敗で、世間からすぐに忘れ去られてしまうような一発屋のスケーターではないと確信している。だからこそ、金メダルを取りたいのなら、コーチたちの言うことに耳を傾け、しっかりと学ばなければならない」

 常に意識を保つ勝気なスタイルはトゥルソワの魅力である。一方で制御できないほどに高め続けた感情が爆発してしまうと“諸刃の剣”となる。それだけに「コーチの言うことを聞け」というレジェンドの指摘を本人がどう捉えるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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