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「不快な行為とスキャンダル」が北京五輪を台無しにしたと米大手紙。ワリエワ事件が大会の価値をさらに下げる危険性も

THE DIGEST編集部

2022.02.21

ワリエワに降りかかった重圧は、15歳の少女ではとても耐えきれるものではなかっただろう。(C)Getty Images

ワリエワに降りかかった重圧は、15歳の少女ではとても耐えきれるものではなかっただろう。(C)Getty Images

 2月20日に閉幕した北京冬季五輪。17日間にわたって熱戦が繰り広げられ、多くの興奮や感動が生まれたが、同時に多くの物議を醸す出来事が大会に暗い影を落とすことにもなった。

 コロナ禍が収束しない中で開催されたこのビッグイベントについて、米国の大手紙『The Washington Post』は「北京2022は『スキャンダル・オリンピック』として記憶される」と報道。「同大会の最終的なイメージは、15歳のロシア人フィギュアスケート選手、カミラ・ワリエワがメダル争いから脱落する悲惨な演技の後で涙を流したことだ」として、負のイメージに彩られたものであると強調した。

「大きな問題」は大会前から存在し、ウイグル人に対する人権侵害は世界中から非難を浴びており、また中国の女子テニスプレーヤー、ペン・シューアイが元中国最高指導部メンバーから性的関係の強要を受けたと告発した後の経緯も、国外からの開催国への見方をより厳しいものとすることとなった。

 ワリエワのフリースタイルの演技の後、エテリ・トゥトベリーゼ・コーチが失意の選手を問い詰めたことについて、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が「身も凍るような思いがした」と批判したものの、同メディアは2014年リオデジャネイロ五輪で国家ぐるみのドーピング違反が判明したロシアの選手単位での出場を認めたことが「ワリエワらアスリートへのさらなる虐待を可能にした」と、統括機関を糾弾する。

 もちろん、この大会でも多くの五輪精神に則った素晴らしい場面があったが、「不快な行為とスキャンダルの前に影は薄くなった」として、「五輪が生き残るためには、主催者は内省をする必要がある。検査体制を見直し、年齢制限を設定すべきかもしれない。そして、開催国には基本的人権や民主主義が保証されている国を見つけなければならない」と主張。「五輪は人間の肉体による努力の成果を祝うためのものであり、どの国が若いアスリートを虐待し、IOCを誤魔化したかを争うものではない」と締めた。
 

 ちなみに今大会の開幕前、米国での視聴率が4年前の平昌五輪に比べて大きく低下していることは、大会序盤から報じられていたが、アメリカの通信社『AP』は今回の「テレビで見るに耐えがたい」(同メディア)ワリエワの一件が五輪という商品の価値をさらに下げる危険性を指摘している。

『NBCユニバーサル』のゴールデンタイムでの放送では、1日平均1000万人程と、平昌五輪より47%も視聴者数が減少したという今大会。「スーパーボウル」(2400万人が視聴)の後にはスポーツ全体への人々の関心が上がるという毎年恒例の“現象”にNBCは期待したようだが、2月13日に行なわれたこのアメリカ最大のスポーツイベントが2400万人もの視聴者を集めたのにもかかわらず、五輪のそれに影響を及ぼすことはなかったという……。

 それでも、この視聴率の低下は3大会連続で米国とは13~18時間もの時差のあるアジアで開催されたことが原因であり、また今回は米国にとっての“天敵”とも言える中国が開催国だったことも大きかったとされている。欧州(2024年パリ夏季、2026年ミラノ・コルティナ冬季)、米国(2028年ロサンゼルス夏季)で開催される大会では、再び五輪の価値は高まるという楽観的な見方がなされているようだが、果たして……。

構成●THE DIGEST編集部

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