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五輪女王シェルバコワが歩んだ苦しい道のり。出遅れた“焦り”を赤裸々に告白「絶望したこともあった」

THE DIGEST編集部

2022.02.25

五輪女王の座を射止めたシェルバコワ。彼女の物語はまだまだ続きそうだ。(C)Getty Images

五輪女王の座を射止めたシェルバコワ。彼女の物語はまだまだ続きそうだ。(C)Getty Images

 北京五輪のフィギュアスケート女子シングルを制したアンナ・シェルバコワ(ROC)。トリプルアクセルを演技から外した堅実な構成で勝負したショートプログラム(SP)で同門のカミラ・ワリエワ(ROC)に次ぐ2位につけると、フリースケーティング(FS)では、4回転ジャンプ2本を含む高難度構成を滑り切り、逆転優勝を飾った。

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 五輪だけを見れば完璧な17歳だが、実は今季の道のりは険しかった。2021年3月の世界選手権で優勝するも、6月に足を怪我し、国内の強化合宿は欠席。10月のブタペスト杯では、後輩のマイーア・ホロミカに敗れ2位と苦しんでいた。

 ロシアフィギュアスケート連盟は、そんな彼女に当時の気持ちを取材。シェルバコワは、「(絶望したことは)あった。五輪には出られないと諦めていたわけではないけど、『こういうこともある』と現実を理解しようとしていた。だから取り返しがつかなくならないように常にベストを尽くしていた」と心境を明かしている。

 11月のグランプリ(GP)シリーズのイタリア大会ではSPでは3位と出遅れるもFSで巻き返し、復活の優勝を果たすと、世界トップレベルが揃う12月末のロシア選手権では総合3位に滑り込み最後の切符を掴み取ったのだ。
 
 そして今年1月の欧州選手権で総合2位に入ったシェルバコワは、「シーズン中に調子の波はなく、ゆっくりとしたペースで状態を上げていけた。すべてが計画通りに進んでいることを理解していました」と振り返る。安定した成績を残し続ける彼女だが、「奇妙に聞こえるかもしれないけど、オリンピックで優勝することは子どもの頃からの夢ではなかった」と告白したうえで、こう続けた。

「五輪で金メダルを獲りたくなかったわけではなく、考えなかっただけ。夢が現実になって初めて持つものだと感じています。自分がオリンピックに出られると理解したとき、初めてそれが夢になりました」

 女王の座についた17歳は、「私がスケートをするのは観客のためで、ファンが応援してくれればくれるだけ楽しくて仕方がない」と楽し気に語り、「頂点に立ったけど、モチベーションは今のところ変わっていない」と競技続行の意向を示した。

 芸術性が高いと定評のあるシェルバコワ。美しい彼女の舞は、今後もファンを楽しませてくれそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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