ロシアからの激しい侵攻を受けるウクライナ。そんな祖国を守るために、ボクシング界のチャンプがある決断を下した。
【画像】ライフルを持ち、軍服に身を包むロマチェンコの実際の写真

　現地時間２月27日、ボクシングの元世界3団体ライト級統一王者ワシル・ロマチェンコが、母国ウクライナの防衛隊に参加したと英メディア『Sky Sports』など複数メディアが一斉に報じた。

　その実力は世界屈指だ。2008年北京五輪ではフェザー級で、12年ロンドン五輪ではライト級で金メダルを獲得。アマチュア戦績は391勝１敗という驚異的な成績を誇った。

　13年のプロ転向後もWBOフェザー級、同スーパーフェザー級でタイトルを奪取。18年にライト級でも王座につき、プロ12戦目という世界最速タイの３階級制覇を達成。“精密機械”の異名で、ファンに敬愛されている。

　20年10月にテオフィモ・ロペス（米国）とのライト級４団体統一戦で判定負けを喫し、王座陥落の憂き目に遭ったものの、その後は２連勝。現在は、昨年11月にロペスを番狂わせで破ったジョージ・カンボソス（オーストラリア）との６月の対戦が有力視されていた。

　そんな34歳は、27日に自身のFacebookに銃を備えた軍服姿の写真を投稿。「私はビルホロド・ドニストロフスキー領土防衛隊のために、武装している」と現況を報告した。
  　世界３階級王者ロマチェンコの防衛隊への参加は、小さくない衝撃を広げている。ウクライナ・メディア『Ukrinform』は、「最強の男であるロマチェンコは、テロから母国を守るために戦線に参加する」として、本人のコメントを紹介している。

「我々、戦士たちは故郷の秩序を守るために、妨害する人間や略奪者を許さない。私は彼らと一緒に防衛している。安心してほしい。我々の街はすべてうまくいく」

「私たちはロシアの侵攻から自分たちを守る為に団結しないといけない。ウクライナで、ヨーロッパで、世界でこのようなことが起きてはいけない。私たちは強い。ウクライナをサポートしてくれてありがとう」

　日々戦況が悪化しているウクライナの情勢。そのなかにあって戦地赴くアスリートたちが、無事であることを祈るばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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