専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
バレーボール

「もっと我慢が必要だった」石川祐希、悔しいコッパイタリア準決勝敗退に反省の弁「耐えきれないとトップには勝てない」

THE DIGEST編集部

2022.03.07

惜しくも決勝進出はならず。しかし、石川は「とても良い経験ができた」と前を向く。(C)Lega Pallavolo Serie A

惜しくも決勝進出はならず。しかし、石川は「とても良い経験ができた」と前を向く。(C)Lega Pallavolo Serie A

 現地時間3月5日、イタリア男子バレーボールのセリエAでコッパイタリア準決勝が行なわれ、日本代表の石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノがイタス・トレンティーノと対戦。セットカウント3-0(25-14、25-20、25-20)で敗れ、念願の決勝進出は叶わなかった。

 イタリアでバレーボールの一大イベントとして大きな注目を集めるコッパ戦の準決勝。国際試合並みのカメラ台数によるテレビ中継や華やかな演出が彩る会場では、4ブロックに分かれたサポーターたちが、時に一体となり世界トップクラスのバレーボールを楽しむ1年に1度の特別なイベントだ。石川らミラノは3連覇を狙うルーベ・チヴィタノーヴァを準々決勝で退け、クラブ史上初となるこの“ファイナル4”進出を果たしこの日を迎えた。

 2連続得点で試合をスタートさせたミラノは、国営放送の実況解説を務めた元イタリア代表ファビオ・ヴッロ氏が、「チームの攻撃基準」と称賛した石川の会心の一打でロングラリーをものにするなどして、序盤に接戦を繰り広げる。だが、マテイ・カジースキ(ブルガリア)らのサーブで失点が重なるとリズムを取り戻せないまま1セット目を落としてしまう。

 決定力の高いトレンティーノの攻撃に対してサーブで攻め込みたいミラノだったが、なかなか確率が上がらない。石川は第2セット後半に3枚ブロックをかわしたクロスで味方の好守を得点に繋げて追い上げのきっかけを作るが、チームの真骨頂である粘り強さが影を潜めたままセット連取を許す。

 序盤から苦しい展開が続いた第3セットで、何とか突破口を見つけたい石川は、チームメートに声をかけながら背中を叩き奮起を促す。しかし、好守で終始レベルの高いパフォーマンスを維持したこの日のリーグ3位に隙はなかった。ミラノは最後まで試合に入り込めずこのセットも奪われストレート負けで準決勝敗退が決まった。
 
 全体的に低調だったミラノの最多得点はジャン・パトリー(フランス)の8得点。気迫のアタックで連続失点を阻止するなど7得点を挙げ孤軍奮闘した石川は試合を振り返り、「思うような結果が獲れず悔しい」「(相手の)総合力が上回っていた。そこで耐えきれないとトップには勝っていけない。もっと我慢することが必要だった」とコメントを残した。

 中央大学に在籍中のイタリア挑戦初シーズン(2014-15)に所属したモデナで優勝を経験した石川だが、今回はミラノの主力として切符を勝ち取った準決勝進出。プロ転向後初となる大舞台で先発フル出場を果たした背番号14は敗戦の悔しさを感じつつも、「とても良い経験ができた。こういう経験を何度もできるように、こういった舞台で勝てるように今後も取り組んでいきたい」と、頼もしい言葉でさらなる成長を誓った。

 なお、第1試合ではペルージャがピアチェンツァに3-1で勝利して決勝進出を決めた。

 残念な結果に終わったミラノだが、下を向いている時間はない。1週間後の日本時間14日午前2時開始のリーグ戦後半12節でトレンティーノとの再戦が待ち受ける。コッパ戦での心残りを晴らす石川の戦いぶりを期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】がん闘病中の東レ・藤井直伸へ、バレー界に広がる“心の支援“の輪

【関連記事】「みんなで待ってるよ」胃がんステージ4公表の藤井直伸に石川祐希と西田有志が熱いエール「私達が勇気付ける」
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号