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胸に“Z”をつけたロシア体操選手の行動にヘッドコーチが見解。「自分の考えをよく示した」と語った理由

THE DIGEST編集部

2022.03.07

ロシアの体操選手が見せた行動が物議を醸している。(C)Getty Images

ロシアの体操選手が見せた行動が物議を醸している。(C)Getty Images

 軍のウクライナへの侵攻が続くなか、ロシア人選手の見せた“ある行動”が波紋を広げている。現地時間3月6日にカタール・ドーハで開催された種目別W杯で、3位となったRGF(ロシア体操連盟)のイワン・クリアクだ。
【画像】ウクライナ体操選手が憤慨! ロシア体操選手が見せた「Z」マークを付けた表彰台シーン

 種目別平行棒に出場したクリアクは、14・533点をマーク。見事に3位に滑り込んで表彰台へと上がった。同種目を制したウクライナのイリア・コフトゥンと隣に並び立つと、ユニホームの胸部にテープで作成した「Z」を貼りつけてきたのだ。

 この「Z」は、ウクライナ侵攻を行なうロシア軍の軍用車両に記されている文字で、国内では勝利を象徴するとされている。それだけにクリアクに政治的メッセージの意図があった可能性があり、世界が緊張状態にあるなかでは、あまりに稚拙な振る舞いと言える。

 無論、FIG(国際体操連盟)は、独立機関「体操倫理財団」に懲戒手続きを申請したと声明を発表。20歳にメダルはく奪を含めた処分を下す可能性を示唆している。

 もっとも、クリアクは試技の段階では「Z」マークを付けていなかった。それだけに行動に移した意図が気になるところではある。同日にロシア・メディア『Match TV』のインタビューに応じたロシア代表チームのヘッドコーチを務めるヴァレンティナ・ロディオネンコは、次のように答えている。
 
「彼は一切私たちに相談しなかった。間違いなく彼個人の勝手な行動。あのマークに賛同することが、『ロシアの愛国者だ』と彼のなかで繰り返し唱えられていたようだ。彼は私たちに何も知らせていなかった!」

 今大会はロシアと彼らを支援するベラルーシに対する取り締まりが強化された。それだけに「信じられないほどの緊張を経験した。それは競争という意味ではなく、周りが極端に神経質だった」というロディオネンコは、こう続けている。

「私からすれば、彼(クリアク)は、自分の考えをよく示したと思う。その良し悪しは別にしてね。周りはロシア人全員が侵略者や殺人者みたいに見せかけている。私たちは『話すな』と言われているから黙っているだけ。それなのに、向こうは黙っていると『なぜ黙っているんだ』と利用してくる。こんな状態は普通じゃない。向こうが何かを主張するなら、私たちも何かしら答えなければいけない」

 スポーツ界ではロシアとベラルーシへの対応が厳しくなっている。そのなかで、国際舞台から“追放”される選手やチームにも、少なからず思うところがあるようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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