ロシア軍のウクライナ侵攻に世界が震撼するなか、20歳の体操選手が見せた振る舞いが物議を醸している。
【画像】ウクライナ体操選手が憤慨！ ロシア体操選手が見せた「Z」マークを付けた表彰台シーン

　現地時間３月６日にカタール・ドーハで開催された種目別Ｗ杯でRGF（ロシア体操連盟）のイワン・クリアクが、ロシア軍の軍用車両に記されている文字である「Z」を胸部に貼りつけて、公衆の面前に現れたのだ。

　この日、14・533点をマークして３位となったクリアクは、１位となったイリア・コフトゥン（ウクライナ）を前にしながらも、ユニホームの胸部にテープで作成した「Ｚ」を貼りつけて表彰台に登壇。銅メダルを受け取った。

　ロシア国内で、軍事的な「勝利」を意味する同マークが、政治的な意図を持つのは言うまでない。同国の体操チームのヘッドコーチであるヴァレンティナ・ロディオネンコは「間違いなく彼個人の勝手な行動」と説明した。だが、FIG（国際体操連盟）は、独立機関「体操倫理財団」に懲戒手続きを申請。即刻処分に動き出している。
　本人の真意は定かとなってはいない。だが、当然のように彼に対してはウクライナのアスリートたちが猛反発している。

　現地時間３月６日に自身のインスタグラムでストーリー動画（24時間で削除される動画）を更新した女子陸上走り幅跳びのマリーナ・ベフ＝ロマンチェクは、怒りを滲ませた。

「全くもって馬鹿げてる」

　そうつぶやいた26歳は、昨夏の東京五輪にも出場し、世界５位となった実力者だ。アスリートとして、もどかしい日々を過ごす彼女は、さらに「彼らは『スポーツは政治とは無関係だ』とでも言いたいんでしょ。馬鹿なやつは恥を知るべき。どうやら、それぐらいのことも分からないぐらいに脳みそがないみたい」と語気を強め、ロシア軍に賛同したクリアクを非難した。

構成●THE DIGEST編集部

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