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ロシア選手たちの国籍変更は“裏切り”か。元フィギュア五輪女王の見解は?「どんな道を選んでも悪者になる」

THE DIGEST編集部

2022.03.08

ロシア・フィギュア界のレジェンドであるスルツカヤ。国内のアスリートたちの苦しい現状に彼女は何を想うのか。(C)Getty Images

ロシア・フィギュア界のレジェンドであるスルツカヤ。国内のアスリートたちの苦しい現状に彼女は何を想うのか。(C)Getty Images

 ロシア軍によるウクライナ侵攻作戦を受け、各国が取り締まりを強化している。スポーツ界では、彼らを支援するベラルーシを含めて“追放”する動きが止まらない。

 今月1日には、IOC(国際オリンピック委員会)がロシアおよびベラルーシの選手、関係者を国際大会から除外するように各競技連盟に勧告。これに続くようにISU(国際スケート連盟)も国際大会からの追放を決定した。

 フィギュア界において、長年、覇権を握ってきたロシアの存在感は言うまでもない。男女ともに数多の五輪メダリストを輩出し、国際的に名高い指導者も少なくない。ゆえに業界へのダメージも計り知れないが、それだけ反戦に対する強い覚悟をISUは示した格好となった。

 活躍の場を奪われたスケーターたちが、路頭に迷う可能性もある。一部の国内メディアは、「選手たちが国籍を変えるかもしれない」(ロシア・メディア『Championat』)と報じている。そうした状況下で、興味深い持論を展開したのは、ロシア女子フィギュア界のレジェンドであるイリーナ・スルツカヤだ。

 女子シングル2大会連続(2002年のソルトレイクシティ五輪=銀、2006年のトリノ五輪=銅)で、メダルを手にした往年の女王は、母国メディア『Championat』の取材に対して、次のように語っている。

「国籍の変更について考え込む選手は、我々の国で自分の地位を得られず、単に国際大会に出場したい選手たちだと思う」

 トップレベルの選手であれば、国籍変更は考えないという持論を説いたスルツカヤは、「今の時代はどんな決断をするにも難しい。相当な覚悟がいる」と続けた。

「こんな複雑な状況では、シーズンはどのみち終わり。少なくとも次のシーズンの開幕を待たないといけない。今の時代、私たちはどんな道を選んでも悪者になる。だから、国籍を変えたら“裏切り者”なるかと言われたら、答えはイエスよ」

 国際社会から批判されるだけでなく、決断次第では国内でも誹謗中傷の的となる。スルツカヤが「しっかりと物事を理解し、優しい人々は私たちの国でも少ない」と話す通り、ロシアのアスリートたちも、苦しい立場にあると言えるのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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