フィギュアスケートにおける「年齢引き上げ」議論が再熱している。先の北京五輪で女子シングルの最有力候補と目くされた15歳のカミラ・ワリエワ(ロシア・オリンピック委員会=ROC)が、期間中にドーピング陽性が発覚。これが新たに火種を撒く形となった。
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国際スケート連盟(ISU)は、シニアの年齢を現行の「前年の7月1日に15歳以上であること」から段階的に「17歳」に引き上げる案で検討していると米国のベテランスポーツ記者フィリップ・ハーシュ氏が明かした。
今年6月にタイで開催されるISUの総会での暫定的な議題(正式なものは4月に公開される)を入手したというハーシュ記者は、そのうちのひとつがシニアを17歳へ引き上げる案だとすっぱ抜いた。
同案は、2018年の総会でも、オランダのスケート連盟が提出したが、正式な可決には至らなかった。しかし、今回は13名のISUメンバーから構成される審議会とノルウェースケート協会の両団体が年齢引き上げを提案しており、同氏は「カミラ・ワリエワのドーピング事件を加味すると、恐らく通過する可能性が高い」と伝えている。
北京五輪では、世界アンチ・ドーピング機関が定める「16歳未満の選手は保護監督下にあること」から、ワリエワは禁止物質がどの様にして体内に入ったかを立証する義務を負わなかった。だが、ISU総会でシニアの規定を引き上げとなれば、禁止薬物が検体から検出された際は、選手全員がその責任を課される。
今回、審議会が同案を挙げた理由は、「身体的だけでなく、子どもの心理的・社会的発達の面で、年齢にそぐわない負荷やリスクにさらされる可能性がある」と、若手の台頭を懸念したからだ。
またノルウェー協会のモナ・アドルフセン会長も、「シニアレベルで数年滑っただけで引退する選手を防ぎ、より多くのスケーターが長くスケートを続けられるようにしたい」と長期的な視点から引き上げを提言した。
ハーシュ記者は、「若いチャンピオンを生み出すロシアは、年齢引き上げを反対する可能性が高いと思う」と持論を主張。一方で「ISU競技会への参加を禁じられているロシアとベラルーシは、ロビー活動が出来ず、遠くから見守るだけになるかもしれない」とも伝えている。
出場年齢引き上げムードが高まるなか、どの様な結末を迎えるだろうか。同問題の動きに引き続き注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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同案は、2018年の総会でも、オランダのスケート連盟が提出したが、正式な可決には至らなかった。しかし、今回は13名のISUメンバーから構成される審議会とノルウェースケート協会の両団体が年齢引き上げを提案しており、同氏は「カミラ・ワリエワのドーピング事件を加味すると、恐らく通過する可能性が高い」と伝えている。
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今回、審議会が同案を挙げた理由は、「身体的だけでなく、子どもの心理的・社会的発達の面で、年齢にそぐわない負荷やリスクにさらされる可能性がある」と、若手の台頭を懸念したからだ。
またノルウェー協会のモナ・アドルフセン会長も、「シニアレベルで数年滑っただけで引退する選手を防ぎ、より多くのスケーターが長くスケートを続けられるようにしたい」と長期的な視点から引き上げを提言した。
ハーシュ記者は、「若いチャンピオンを生み出すロシアは、年齢引き上げを反対する可能性が高いと思う」と持論を主張。一方で「ISU競技会への参加を禁じられているロシアとベラルーシは、ロビー活動が出来ず、遠くから見守るだけになるかもしれない」とも伝えている。
出場年齢引き上げムードが高まるなか、どの様な結末を迎えるだろうか。同問題の動きに引き続き注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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