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モータースポーツ

トレーニングに目覚めた角田裕毅。F12年目の日本人が“苦行”を重ねる理由は、66歳の恩師との「アスリート」な日々

THE DIGEST編集部

2022.03.11

トスト代表(右)の管理の下で生活を始めた角田(左)。彼はそこから自身の私生活を改めることになった。(C)Getty Images

トスト代表(右)の管理の下で生活を始めた角田(左)。彼はそこから自身の私生活を改めることになった。(C)Getty Images

 F1は3月10日(現地時間)より、バーレーンで2度目の合同テストがスタート。各チームは開幕前の最後の調整に集中している。
【動画】マゼピンと角田のデッドヒート! F2時代のレースシーンをチェック

 アルファタウリでは、初日にピエール・ガスリー、2日目に角田裕毅、最終日は午前にガスリー、午後に角田という順番で、走行を担当する予定となっている。先月のテストでは好感触を掴んだと両ドライバーともに語っており、どれだけ2022年型マシン「AT03」がシーズン開幕までに進化を遂げられるかが注目される。

 このオフシーズン、角田は昨季の反省を踏まえて精力的にフィジカルトレーニングを敢行。それがバルセロナでのテストでのドライビングにも好影響を与えていたようで、フランツ・トスト・チーム代表からも「感銘を受けた」とポジティブな評価を得られている。

 角田は英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』に対し、筋力や体力を上げることの重要性を説いたが、同時に「ジムが好きじゃない。匂いも、機器も、全てが」「首のトレーニングは最悪。痛いだけ」と本音も明かしている。しかし、それでもこれらの“苦行”に励むのは、パフォーマンスを上げるため、安定して結果を出すためであることは間違いないが、66歳のトスト代表の存在も「モチベーションになっている」という。

 昨季の序盤はレッドブルの拠点である英国ミルトンキーズに住み、「朝はトレーニングをしましたが、午後はUberEats(ウーバーイーツ)で食事をとり、あとは一日中ゲームをしていました」という「怠惰」(本人談)な生活を送っていた角田。だが、レッドブルの指示でシーズン途中からイタリア・ファエンツァに移り住むと、ここではトスト代表の管理の下、日々の過ごし方を大きく改善させた。

「フランツ(トスト代表)はいつも、僕がどのようなトレーニングをどれだけやっているかを常に管理し、コントロールしようとしていました」と角田は振り返るが、彼はこれを嫌がるのではなく、これまでの自身が間違っていたことに気づき、肉体の強化を図る必要があることを認識したという。

「なぜなら、フランツは僕よりも多くトレーニングをしていたからです。彼は毎朝4時30分か5時には起き、10キロもの距離を走っています。冬でもそれを欠かすことはありません。彼はアスリートです。僕は何も不平を言うことはできません。彼は60歳を過ぎています。それに対し、僕は20歳。少なくとも、僕はフランツよりも多くのトレーニングをする必要があります」

「そのことが、僕のモチベーションでもあり、僕が彼を尊敬している理由でもあります」と21歳の日本人ドライバーは語る。対してトスト代表は以前、「私の方がユウキより体型が良い」と冗談を飛ばしていたほどだが、F1ドライバーとしての自覚を持ってトレーニングにも真剣に臨む現在の角田に対しては、「自分のなすべきことを理解し、冬の間、たくさんのトレーニングをこなした。結果、フィジカル面で、彼は昨年よりもはるかに高いレベルにある」と賛辞を贈っている。

 ルーキーに対して落ち着いて仕事に取り組めるよう猶予を与え、どんな時でも彼を擁護し、そして自らプロフェッショナルとしての姿勢を示したトスト代表。名伯楽の下で成長を遂げた角田は、今季を恩返しの1年とすることができるか。

構成●THE DIGEST編集部

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