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「安っぽい議論の罠には嵌らない!」IOCバッハ会長がウクライナ侵攻とロシア反発に怒りの声明!「五輪休戦を酷く侵害した」

THE DIGEST編集部

2022.03.12

強い言葉で想いの丈を綴ったバッハ会長。IOCとしての確固たるスタンスを示した。(C)Getty Images

強い言葉で想いの丈を綴ったバッハ会長。IOCとしての確固たるスタンスを示した。(C)Getty Images

 現地時間3月11日、IOC(国際オリンピック連盟)の公式ホームページがひとつの声明を発表した。ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、IOCとしての立場をあらためて明確にするため、トーマス・バッハ会長が「平和にチャンスを」と題した長文コメントを掲載したのである。
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 ドイツ出身の68歳は、北京五輪閉幕から4日後に急転した事態に胸を痛め、「ウクライナに対するすべての希望が閉ざされた。ロシア軍によるウクライナ侵略のおぞましい映像やレポートは世界にショックを与え、毎日のように我々は人びとが苦しみ、路頭に迷い、絶望と破壊に直面する姿を見て打ちひしがれている」と吐露。そして、「何百万のウクライナの人びと(ほとんどが女性と子どもたちだ)が残虐な行為から逃れるべく、他国への避難を余儀なくされているのだ」と怒りを滲ませた。

 IOCの対応は迅速だった。各スポーツの国際競技連盟にロシアおよびベラルーシの選手・コーチに対する国際大会への出場禁止、両国の国歌・国旗の使用禁止などを勧告。バッハ会長は「苦しんでいるウクライナの人びとに寄り添い、連帯する姿勢を示すとともに、我々は平和を求める世界中の人びとと想いを共有する」と力を込めた。

 ロシア国内では“締め出し”に対して選手や指導者、さらには政府高官などからも反発する声が噴出している。だがバッハ会長は「政治的中立を保つべきという五輪憲章に反している、スポーツの政治化だという安っぽい議論の罠に嵌るつもりはない」とキッパリ。そのうえで、「政治と軍事的手段で“五輪休戦”を酷く侵害した者たちに、今回の結果を非難することなどできない」と断じた。
 

 さらに同会長は、ロシアとベラルーシの選手たちの除外について言及。「我々は競争の完全性、公平性、安全性を確保する責任を負っている。ロシアとベラルーシの選手たちが大会で競争に参加するなかで、ウクライナの選手たちが戦争で参加できない状況を考えなければならない」と主張し、「もっと言えば、ロシアとベラルーシの選手の大会における安全性も危惧される。今回の侵攻によって反ロシア、反ベラルーシの感情が深まっているのも事実だからだ」と説明した。

 そして最後に、「世界の歴史におけるこのターニングポイントにあって、我々のチャレンジが平和に寄与すると信じたい」と綴り、「この壊れやすい現代世界で、ほかにも戦争が絶えず起こり、犠牲者が出ていることを忘れてはいけない。みなが団結し、世界のリーダーたちに訴えかけていこう。平和にチャンスを!」と呼びかけた。

構成●THE DIGEST編集部

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