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IOCバッハ会長がワリエワを指導するトゥトベリーゼを糾弾!「こんな冷たい態度を取れるのか」「大きな動揺を覚えた」【北京五輪】

THE DIGEST編集部

2022.02.18

バッハ会長(左)は、演技後に涙したワリエワ(右)を「悲しい物語」と指摘。そのうえでトゥトベリーゼコーチを非難した。(C)Getty Images

バッハ会長(左)は、演技後に涙したワリエワ(右)を「悲しい物語」と指摘。そのうえでトゥトベリーゼコーチを非難した。(C)Getty Images

 15歳の少女が見せた悲壮な姿に、国際オリンピック委員会のトップも黙ってはいなかった。

 女子フィギュアスケート界の偉才は、大きすぎるプレッシャーに苛まれた。2月17日、北京五輪のフィギュアスケート女子シングルフリースケーティング(FS)の最終滑走者として出場したカミラ・ワリエワ(ロシアオリンピック委員会=ROC)だ。

 大会期間中にドーピング使用が明るみになるも、スポーツ仲裁裁判所の裁定によって、参加続行が認可。それによって世界的なバッシングにさらされた少女は、FSで明らかに精彩を欠いた。得意だったはずのジャンプで信じられないようなミスを連発。最後まで本来のキレを見せられないまま、演技を終えたのである。

 演技直後にエテリ・トゥトベリーゼコーチから「なぜ諦めたの? 説明しなさい!」と詰め寄られたワリエワは、思わずキス&クライで涙した。その姿を目の当たりにした国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、「悲しいストーリーがある。ワリエワだ。昨日、彼女のパフォーマンスを見ていたが、大きな動揺を覚えた」と言及した。

「どれだけ彼女に重圧がかかっていたことか。我々が想像もできないほどの甚大なプレッシャーだったのだろう。15歳の女の子だ。そんな彼女がリンクの中で苦しみ、その中で演技を立て直そうとしていた姿が私には見て取れた」

 苦しむワリエワを慮ったバッハ会長は、さらにトゥトベリーゼコーチの厳しい態度を強い口調で非難した。

「私も彼女の対応を見た。ワリエワを助けようという行動ではなく、非常に冷ややかな雰囲気を感じ取れた。こんなにも自分たちのアスリートに対して冷たい態度を取れるものなのかと思うほどだ。トゥルソワの態度やコメント(の記事)を読んでも、私が持った印象は誤ったものではない。

 ましてやワリエワは未成年だ。ドーピングが起きた場合、アスリートだけが関わっているのは非常に稀と考えられる。ほとんどの場合、アントラージュ(周囲の関係者)が関わっているものだ。15歳の体内に禁止薬物があるのは事実だが、これを本人に投与した人物が有罪なのだ」
 
 では、ワリエワを含めた今後の処罰はどうなっていくのか。68歳の御大は、「アントラージュに対する調査が行なわれる」と関係者を厳く追及していく姿勢を示した。

「この調査によってより事態は鮮明になるだろう。これを企てた人物に説明責任が問われる。そして、該当者たちに最も強い形での措置を取る。我々も断固とした姿勢を貫く。非常に強いアクションという意味だ」

 はたして、バッハ会長が意図する「強いアクション」とは何なのか。一部ではトゥトベリーゼコーチをはじめとする関係者の永久追放の可能性も囁かれているが……。

構成●THE DIGEST編集部

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