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「ユヅルは神格化すべき人間だ!」元露世界王者が羽生結弦に脱帽。北京五輪で見せた“偉才”ぶりに「ただただ感服」

THE DIGEST編集部

2022.03.15

五輪3連覇は逃したものの、華麗な演技でファンを魅了した羽生。その北京での滑りをロシアの元世界王者も絶賛した。(C)Getty Images

 日本が生んだ男子フィギュアスケート界の偉才に対する賛辞が鳴りやまない。

 去る2月20日に全日程が終了した北京五輪のフィギュアスケート。そのなかで、改めて存在感を放ったのが、羽生結弦だった。94年ぶりの3連覇が懸かったシングルでは、右足首の怪我もあって4位に沈んだが、フリースケーティングで4回転アクセルがISUの公認大会で初認定となるなど、話題を大いに提供した。

 大会後に王者となったネイサン・チェンが「ユヅはこのスポーツを進化させているんだ。本当に特別なことだと思う。彼は素晴らしいスケーターなんだ」と絶賛した。この言葉が象徴するように、王座から陥落しながらも27歳の日本人に対する評価は揺らいでいない。

 フィギュア大国であるロシアからも賛辞の声が上がっている。現地時間2月28日には、公共放送『RT』の取材でトリノ五輪のペアで金メダリストとなったマキシム・マリニン氏は、次のように評した。

「ユヅルは神格化すべき人間だ。あのプロ意識の高さは、アスリートのあるべき姿を見本として示している」

 羽生のストイックな姿勢に脱帽するマリニン氏は、「ただただ表彰台を狙うのであれば、あそこまでのリスクを冒す必要はなかった」と、前人未到の4回転アクセル挑戦を分析。そのうえで、こう褒めちぎる。

「だけど、その難題にあえて挑む。そこが、偉才と才能があるだけの人間との違いだ。後者は目標と、そこに達するまでの方法だけを見るが、偉才はその先までを見ている。異次元の扉を開けたユヅルには、ただただ感服するばかりだよ」

 大会後に開いた会見で「怪我をしてても、立ちあがって挑戦すべき舞台は(五輪の)他にはないです。凄く幸せな気持ちになっていたので、また滑ってみたいという気持ちはもちろんあります」と、4年後の五輪出場をほのめかした羽生。仮に彼が大舞台に上がるとなれば、世界中から熱視線が注がれるのは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部