現地時間３月18日、モスクワのルズニキ・スタジアムで９万5000の大観衆を集めて開催されたのが、クリミア併合８周年を記念したコンサートだ。
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　ウラジーミル・プーチン大統領を筆頭に政府要人が顔を揃え、ロシア国内で人気のコメンテイターやアーティストがボルテージを高め、北京五輪・男子クロスカントリーで３冠を達成したアレクサンドル・ボルシュノフなど、国を代表する名アスリートたちも登場して場を盛り上げた。

　こうしたロシア人選手たちの動きに対して、他国のアスリートたちからは糾弾する声が多く聞かれた。とりわけ、ノルディックスキーが盛んなノルウェーの選手からの反感が強い。というのも、コンサートの司会を務めたドミトリ・ブベリニエフ氏はウインタースポーツ界でも有名なジャーナリストで、とりわけノルウェーの選手間で動揺が広がっているようだ。

　北京五輪の男子バイアスロンでふたつの金を含む４つのメダルを獲得したタリヤイ・ベー（ノルウェー）は、「ロシアの選手たちは何も分かっていないようだ。彼らは（国際大会から）除外されている事実に不平を漏らしているけど、自分たちの立ち位置がどうあるべきかを理解していない。これでは歓迎されないよ」と断じた。
 
　さらに、バイアスロン選手のベトレショースタ・クリスティアンセン（ノルウェー）は「もうブベリニエフの顔は見たくないし、ロシアの選手たちとも競いたくない。きわめて醜い光景だったからね」と話し、クロスカントリーのノルウェー代表であるクリス・イェスペルセンは「馬鹿げた状況が続いているし、挑発的な行為（イベント）だ。ただ、彼ら（ロシア選手）には参加するしないの選択肢がなかったのかもしれない」と主張した。

　スウェーデンの男子バイアスロン代表、セバスティアン・サミュエルソンも疑問を呈する。「私はずっとブベリニエフの取材を受けながら、彼はプロパガンダの片棒を担いでいると感じていたよ」と振り返り、イベントに参加したロシア人選手たちに対しては、「不思議だ。強制的に出席させられたのか？　そうじゃないならば、彼らは愚か者だよ」と手厳しい。

　当然、ロシア側の反発も避けられない。元バイアスロンの五輪金メダリストであるアレクサンデル・チホノフ氏はロシア・メディア『Sport24』の取材に応じ、「まったくふざけた言いがかりだ！」と怒りを露わに。そのうえで「タリヤイ・ベーは口を慎め！　内政干渉のような言い分であり、もっと歴史を勉強してから発言したほうがいい。くだらない論調など気にする必要などないんだ」と吐き捨てた。