そして、2006年トリノ五輪の女子スピードスケート500メートルで金メダルに輝いたスベトラーナ・ジュロワ氏も黙っていない。チホノフ氏と同じく、『Sporet24』にコメントを寄せた。

　現在はロシア連邦議会で下院議員を務める50歳は「コンサートに出席した選手たちは、国外からの批判など覚悟の上であの場にいた。大統領や祖国のために尽くしたいと考えたからよ」と断定し、「不幸なことに、外国の選手たちはそれぞれの国のプロパンダの犠牲者になっている。西側のずる賢いジャーナリストたちが提供する都合の良い情報に惑わされているのよ」と独自の見解を示した。

　最後は「結果的に、歴史はあるべきものをあるべき場所に落ち着かせる。タリヤイ・ベーやイェスペルセンなど、ロシアの選手たちを批判するすべての者たちは恥を知りなさい！」と力を込め、「正しい情報を伝えてあげられればいいのだけど、いまは難しいようね」と続けた。

　ジュロワ氏のコメントは明らかに国内向けのもので、いかにもロシアの政治家らしい反論だろう。まるで現実味が伴っていない、と言わざるを得ない。
 
　なお記念コンサートに参加した主なロシア人アスリートは、ボルシュノフのほか、エフゲニー・リロフ（競泳／東京五輪で２冠）、ディナ・アベリーナ（新体操／東京五輪銀メダリスト）、アリーナ・アベリーナ（新体操／東京五輪出場）、エフゲニア・タラソワ＆ウラジーミル・モロゾフ（フィギュアスケート・ペア／北京五輪銀メダリスト）、ヴィクトリア・シニツィヤ＆ニキータ・カツァラポフ（フィギュアスケート・アイスダンス／北京五輪銀メダリスト）といった錚々たる面々だ。

構成●THE DIGEST編集部

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