自国軍によるウクライナ侵攻を受け、国際スケート連盟（ISU）は、ロシアに対して国際大会への出場停止処分を課した。そのため、現地時間３月23日に開幕する世界選手権は、フィギュア界を牽引してきた大国を除いて行なわれる。

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　先の北京五輪のフィギュアでは、男子シングル以外の競技すべてでメダルを獲得する存在感を発揮したロシア。当然、世界一の座を競う世界選手権でもメダル有力候補であった。それだけに無念の撤退を強いられた関係者らは不満を募らせているようだ。

　この対応に納得がいかないひとりが、名コーチのインナ・ゴンチャレンコ氏だ。母国のスポーツ専門局『Match TV』で「この大会は間違いなく華やかさが欠ける。面白みがなく、見栄えもせず、興味をそそそられない」と嘆き、「世界選手権はチャンピオンが激戦を繰り広げなければいけないもの。だけど今回はすべて欠落している。だから興味もないし、観戦する気分にもならない」とコメントした。

　また、五輪銀メダリストで現在はコーチ兼振付師のアレクサンドル・ズーリン氏は、日刊紙『Sport Express』のインタビューで「世界選手権は観ないし興味もない。今大会はほぼすべての種目で優勝候補だったため、エンターテインメント性が損なわれている」と回答している。
  　世界選手権で２度の優勝を誇るイリーナ・スルツカヤ氏も同様だ。スポーツ専門メディア『Championat』で、「ロシアの選手が出ない世界選手権なんか観たくないし、コメントもしたくない。全く興味がないので、世界選手権は観ない。我が国の選手が出ない大会なんて、競争力がなくてつまらない」と怒りをぶちまけている。

　不服を唱える声が大きい一方、名誉コーチとして知られるタマラ・モスクビナ氏は、「世界選手権は世界選手権。私の場合ロシアのスケーターを観るのが目的ではない」と米紙『New York Times』で強調したうえで、「私たちのライバルがどの様にパフォーマンスを披露するのか観たい。だから勿論、私は今大会にも注目してます」と期待を寄せている。

　ロシア勢不在のなかで、各国の選手たちはどの様な活躍を見せてくれるだろうか。大会は、女子シングルのショートプログラム（SP）から行なわれる。

構成●THE DIGEST編集部

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