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【皐月賞】最大のポイントは5か月ぶり“ぶっつけ”参戦となるイクイノックスの取捨。堅実さを買うならドウデュースか?

THE DIGEST編集部

2022.04.15

約5か月ぶりにレースに臨むイクイノックス。最終追い切りもブランクを感じさせず好タイムを出していた。写真:産経新聞社

約5か月ぶりにレースに臨むイクイノックス。最終追い切りもブランクを感じさせず好タイムを出していた。写真:産経新聞社

 牡馬クラシックの一冠目、皐月賞(G1、芝2000メートル)が4月17日、中山競馬場で行なわれる。前週の桜花賞も予想が難しく、結果も大波乱となったが、今春の皐月賞はそれを超えるレベルの混戦模様だ。

 そうした状況を招く要因となっているのは、昨秋あたりには“主役”級の評価を受けていたイクイノックス(牡3歳/美浦・木村哲也厩舎)のローテーションにある。現役時にG1レースで7勝を挙げてJRAの歴代賞金王になった名馬であり、キタサンブラックの初年度産駒だ。

 昨年8月28日、デビューの新馬戦(新潟・芝1800メートル)で2着に6馬身差を付ける圧勝を飾ると、続く11月20日の東京スポーツ杯2歳ステークス(G2、東京・芝1800メートル)にも出走。道中は後方を進みながら、直線で7頭をごぼう抜きにしたばかりか、さらには2着を2馬身半も突き放して重賞初制覇を達成した。

 このとき上がり3ハロンは32秒9という驚異的な爆発力を示しており、走破タイムも1分46秒2という優秀さ。この時点で、関係者からは「来春の牡馬クラシックは決まりかも」という声が聞こえ、筆者も彼が示したスケールの大きさに驚嘆したひとりである。

 その後は休養に入ると、疲労の快復に専念。トレセンに帰厩したのは今年の3月23日で、ステップレースを使わずに“ぶっつけ”で皐月賞へ出走することになった。ちなみに皐月賞を制した馬のなかで、前走からの最長レース間隔記録は2020年のコントレイルで、前年のホープフルステークス(G1)から中112日での勝利である。

 イクイノックスは前出の東京スポーツ杯2歳ステークス以来の出走なので、皐月賞は中147日、約5か月ぶりの実戦だ。もし勝利を飾れば、もちろんレース間隔の最長記録を更新する。

 幸いにして帰厩してからの調整過程は順調で、13日の最終追い切りでも余裕を持って好タイムを叩き出し、共同記者会見でクリストフ・ルメール騎手は「ほぼベストのコンディション」と、相棒の走りに満足した様子を見せた(ちなみにルメール騎手は、「もし勝てなくても“次のレース”は勝つと思います」とジョークを飛ばしてもいる)。
 
 ただ、筆者の脳内をよぎるのは、ゆっくりと休養をとって皐月賞直行のローテーションを組んだのは、ここを叩き台にして日本ダービー(G1、東京・芝2400メートル)を真のターゲットとしているのではないか、という推察である。

 たとえば、2016年の春季クラシックで主役を張ったレイデオロ。前年のホープフルステークスを制して休養に入り、皐月賞は“ぶっつけ”で出走して5着に敗戦。しかし、続く日本ダービーはルメール騎手の神がかった騎乗もあって見事に優勝を果たした。

 前述した三冠馬コントレイルのように、ホープフルステークスから直行で皐月賞、日本ダービーを制した例もあるので、一概に長期休養後の“ぶっつけ”参戦を危険視はできないだろう。だが今回のイクイノックスは、異例の臨戦過程に加えて、皐月賞がG1初挑戦というレースレベルの壁も立ちはだかる。

 他馬とのポテンシャルの違いで勝っても不思議はないし、常識的には狙いを一段下げるのが妥当という考えも自然なことだ。その取捨は各自の考え方ひとつである。
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