ロシア国籍の世界的チェス名手であるセルゲイ・カヤキンが、さらなる窮地に追い込まれそうだ。
【関連画像】「PUTIN TEAM」と書かれたパーカーを着て記念撮影に収まるカヤキン
チェス界の最高位であるグランドマスターに、史上最年少の12歳7か月で認定されたかつての天才児は、32歳となったいまも最新世界ランキングで18位につける実力者だ。しかしながらロシア軍のウクライナ侵攻を受け、自身のSNSでウラジーミル・プーチン大統領やロシア政府を支持する投稿を次から次へと掲載。問題視した国際チェス連盟(FIDE)は現地時間3月21日、カヤキンに「6か月間の資格停止」を言い渡した。
これによって6月開催の世界選手権予選に参加できなくなり、本大会への道を閉ざされたカヤキンは憤慨。「スポーツは政治と切り離されるべきなのに、なんて恥ずべき決定だ!」とまくし立て、「もっとも大事なのは、私がアスリートである前に母国への愛国者であるということだ。ロシアの大統領と国民、軍を支持する気持ちになんら変わりはなく、何度でも同じ言葉を繰り返そう。まったく後悔などしていない!」と言い放った。
挑発的なコメントの通り、カヤキンの行動はエスカレートする。4月3日に公式テレグラムでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を真似る動画をアップロード。同大統領は夜のキーフの街並みを背景にたびたびメッセージ動画を配信するが、それを面白おかしくパロディーしたのである。
そして今回、カヤキンはモスクワでチェス教室を開催した。ロシア軍が支配を強めているウクライナ東部のドンバス地方から逃れてきた親ロシア派の少年少女たちを招待し、その場で軍事作戦の正当性を主張。胸に「PUTIN TEAM(プーチン・チーム)」と書かれたパーカーを着込み、笑顔で集合写真に収まったのである。
大胆な支持行動に対してカヤキンは、ロシアテレビ局『Match TV』で次のように想いを明かした。
「ドンバスとロシアはひとつなんだ。それをしっかり示したくて、このウェアを着ている。ロシアが手を差し伸べなければ、ドンバスはもっともっと難しい状況に置かれてしまうんだ。子どもたちを助けなければいけない。たとえ神が禁じても、ロシアが救うだろう。僕たちみんなが彼らの味方だ」
愛国心を前面に押し出しているが、さすがに国内のスポーツメディア『Sport 24』でさえ、その行き過ぎた言動に警鐘を鳴らす。「FIDEはさらに規約違反を犯せば、容赦しないだろう。もはや厳罰は避けられず、カヤキンのキャリアは終焉に近づいていると言わざるを得ない」と論じている。
実はカヤキンはウクライナのクリミア出身で、2009年にロシアに国籍を変更した過去を持つ。ウクライナ国籍のグランドマスター、カタリーナ・ドルジコワと同年に結婚したが、ロシアがクリミアを併合する2014年を前に両者は離婚している。
構成●THE DIGEST編集部
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チェス界の最高位であるグランドマスターに、史上最年少の12歳7か月で認定されたかつての天才児は、32歳となったいまも最新世界ランキングで18位につける実力者だ。しかしながらロシア軍のウクライナ侵攻を受け、自身のSNSでウラジーミル・プーチン大統領やロシア政府を支持する投稿を次から次へと掲載。問題視した国際チェス連盟(FIDE)は現地時間3月21日、カヤキンに「6か月間の資格停止」を言い渡した。
これによって6月開催の世界選手権予選に参加できなくなり、本大会への道を閉ざされたカヤキンは憤慨。「スポーツは政治と切り離されるべきなのに、なんて恥ずべき決定だ!」とまくし立て、「もっとも大事なのは、私がアスリートである前に母国への愛国者であるということだ。ロシアの大統領と国民、軍を支持する気持ちになんら変わりはなく、何度でも同じ言葉を繰り返そう。まったく後悔などしていない!」と言い放った。
挑発的なコメントの通り、カヤキンの行動はエスカレートする。4月3日に公式テレグラムでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を真似る動画をアップロード。同大統領は夜のキーフの街並みを背景にたびたびメッセージ動画を配信するが、それを面白おかしくパロディーしたのである。
そして今回、カヤキンはモスクワでチェス教室を開催した。ロシア軍が支配を強めているウクライナ東部のドンバス地方から逃れてきた親ロシア派の少年少女たちを招待し、その場で軍事作戦の正当性を主張。胸に「PUTIN TEAM(プーチン・チーム)」と書かれたパーカーを着込み、笑顔で集合写真に収まったのである。
大胆な支持行動に対してカヤキンは、ロシアテレビ局『Match TV』で次のように想いを明かした。
「ドンバスとロシアはひとつなんだ。それをしっかり示したくて、このウェアを着ている。ロシアが手を差し伸べなければ、ドンバスはもっともっと難しい状況に置かれてしまうんだ。子どもたちを助けなければいけない。たとえ神が禁じても、ロシアが救うだろう。僕たちみんなが彼らの味方だ」
愛国心を前面に押し出しているが、さすがに国内のスポーツメディア『Sport 24』でさえ、その行き過ぎた言動に警鐘を鳴らす。「FIDEはさらに規約違反を犯せば、容赦しないだろう。もはや厳罰は避けられず、カヤキンのキャリアは終焉に近づいていると言わざるを得ない」と論じている。
実はカヤキンはウクライナのクリミア出身で、2009年にロシアに国籍を変更した過去を持つ。ウクライナ国籍のグランドマスター、カタリーナ・ドルジコワと同年に結婚したが、ロシアがクリミアを併合する2014年を前に両者は離婚している。
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