バレーボール

6キロ増量でパワーアップした西田有志にイタリアで芽生えた“覚悟”。石川祐希主将と「一緒の立場で戦えるように頑張る」と誓う

北野正樹

2022.04.25

イタリアで1シーズンを過ごしたサウスポーエース西田は、心身ともに成長した姿を見せていた。写真:北野正樹

 バレーボールの男子日本代表「龍神NIPPON」が4月24日、静岡市内の清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)での第1回国内合宿の練習を報道陣に公開した。4月14日から始まった同合宿は、石川祐希主将や高橋藍、Vリーグを最後まで戦ったサントリーや名古屋の選手らを除く15名が参加している。

 22年度の代表登録メンバーは、35人のうち15人が初選出というフレッシュな構成だ。J-STEPでも東山高校3年の麻野堅斗ら4人が新メンバーとして参加した。そんな中で、ひときわ大きな声やジェスチャーで存在感を示していたのが、2021-22年シーズンをイタリア・セリエAのビーボ・バレンティアでプレーした西田有志だった。

「新しいメンバーも加わり明るいが、コミュニケーションという部分では、まだまだ。もっと喋っていかないと、試合になると結果はついてこない。コミュニケーションが取れれば、練習のレベルももっと上がってくる。そういう部分は意識してやっている」と語った西田は、イタリアでの経験を代表にフィードバックしたい思いが強い。

「セリエAでは全員がプロ。練習中と練習後のギャップがあり、その意識が刺激的で、練習のクオリティーも上がり、プレーも良くなった。それをこっちで還元したい」

 1シーズンだけだが、イタリアでのプレーで自信がついた22歳は、「(スパイクを)思い切り打てば相手ブロックをはじくかもしれないが、それだけじゃ勝てない。自分の中でもっとバリエーションを増やすことが、イタリアで見えた課題」と、今後取り組まなくてはいけないことを分析した。
 
 そんな中で、イタリアで対戦した石川祐希(パワーバレー・ミラノ)から受けた影響は大きかった。「イタリアで何が変わったかと言えば、自信がついたこと。でも彼には7シーズンも積み上げてきたものがある。自分も見ているだけでなく、一緒に戦えるようにとしか考えなかった」と意識に変化が生まれたことを明かす。

「東京五輪の時は、まだ自分のことで精一杯で、石川主将についていく部分があった。ついていくのではなく、そういった立場でもう一人(選手が)いたら、もっともっとチームは強くなると思う。(チームの)核になる選手であるべきだと、自分で感じた。みなさんにどう映るか分からないが、しっかりと体現できるように日頃から自分にプレッシャーをかけ続けるのが大事だと思う」。
 
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自分の立場を理解した22歳が石川主将に伝えたメッセージとは?