バレーボール

石川祐希、好守で奮闘も報われず今季終了。セット率「0.01%」だけ及ばずのPO予選敗退に「仕方がないというか悔しい」と吐露

THE DIGEST編集部

2022.05.04

石川が13得点でチームに貢献するも、チームは逆転負けを喫した。(C)Powervolley Milano

 現地時間5月3日、イタリアセリエA2021-22シーズンプレーオフ5位決定戦の予選ラウンド第5戦が行なわれ、男子日本代表の石川祐希が所属するパワーバレー・ミラノがホームでブルーエナジー・ピアチェンツァと対戦。セットカウント1-3(25-20、27-29、23-25、19-25)で敗れ、準決勝進出を逃した。

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 勝点「6」でモンツァとヴェローナの2チームと並び最終日を迎えたミラノ。4戦目を終え1位ピアチェンツァと2位チステルナの準決勝進出が確定しており、ストレート勝利(対ターラント)で先に試合を終えたモンツァが3枠目を埋めた。

 残る1枠を自力で手に入れるためには、シリーズ全勝中の難敵ピアチェンツァを撃ち破らなければならない。レギュラーシーズン通算ブロック数でリーグ首位の主将マッテオ・ピアノ(イタリア)が欠場のなか、石川は先発メンバーとして命運をかけた一戦に挑んだ。

 石川は第1セット開始から間もなくスペースを狙った打球と速いクロス攻撃を決め、3枚ブロックをかわす一打でさらに得点。終盤の鮮やかなバックアタック2本を含む6得点を挙げてセット先取に大きく貢献する。

 第2セットは精度の高いレセプションやディグで得点を呼び込み、ピアチェンツァの強烈なサーブとアタックに対抗。1点を争いながら先にセットポイントを握ったミラノだったが、これを2度阻止されてから押され気味の攻防が続く。

 チームに流れを引き戻したい石川はダイビングレシーブから難しい返球を成功させてこれ以上ないファインプレーを見せるが、ボールはアンテナ外を通過と審判が判断。ビデオ判定によりジャッジは覆ったが、リプレーで逆転されると、バランスを崩しながらも乱れたトスを押し込む渾身のプレーで同点に戻す。ミラノはデュースを繰り返した末に競り負け、試合は振り出しに。

 ふたたび一進一退の展開となった第3セットは、石川の好判断が光るダイレクト弾などで後半にリードを奪うが、思うようにブレークポイントが取れないままもつれ込んだ終盤、不運な失点が重なったこともあり2セット目を奪取される。

 フルセットへ持ち込みたいミラノは序盤に最大3点までリードを広げるが、205センチのミドルブロッカー、エドアルド・カネスキ(イタリア)のエース2本を含むサービスに苦しみ6連続失点。一気にブレーキがかかり反撃のチャンスを見いだせないまま試合を終えた。
 
 同時刻のもう1試合は、ラスト1枠を狙うヴェローナがチステルナのマッチポイントを幾度となくしのぎフルセットを制して勝利。これにより、勝ち点で並ばれたミラノは得失セット率でわずか0.01%及ばず準決勝進出を逃す結果となった。

 石川は13得点(アタック12、ブロック1)を記録。試合を通して攻守で奮闘をみせた自身のパフォーマンスを振り返り、「1セット目は特にボールがたくさん上がり、それを高い決定率で決めることができた。レセプションも安定していたと思う」と評価。同時に、「最後は集中力が切れミスが増えた。どのような状況でも集中力を保って安定したプレーを続けないといけないと改めて感じた」と課題も口にした。

 一方、望んでいなかった形でのシーズン終了については、「なかなか難しい5位決定戦で、結果としては予選敗退になってしまったが、疲労もある中でできることはすべてやった。仕方がないというか悔しい思いだが受け入れるしかない」と胸中を明かした。

 落胆がないはずはない。それでも、連戦で疲弊したチームの背中を押しながら最後までコートで躍動を続けたシーズン終盤の石川は、昨シーズンとは違うたくましさと頼もしさを放っていた。荒波の中で戦い続ける"イシカワ"を来シーズンも期待を持って応援したい。

構成●THE DIGEST編集部

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