ゴルフ

米ツアー7試合で得られた渋野日向子の“課題と収穫”。そのプレー姿には、海外選手も「ゴルフに対する考え方が変わった」

山西英希

2022.05.17

日本凱旋で大きな注目が寄せられる渋野。約半年ぶりの国内ツアーでどんなプレーが見られるだろうか。(C)Getty Images

 5月19日からの国内女子ツアー『ブリヂストンレディスオープン』に渋野日向子(サントリー)が出場する。米ツアーを主戦場にする彼女にとって、国内戦は昨年11月の『大王製紙エリエールレディス』以来となる。間違いなく相当な注目を浴びるはずだが、その前に今季の戦いぶりを振り返ってみよう。

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 まず2022年シーズン初戦となったのが『HSBC女子世界選手権』で、そこから『パロス・ベルデス選手権』まで米ツアー7試合に出場した。最高位は『ロッテ選手権』の2位で、トップ10入りは3回。その中には、メジャーの『シェブロン選手権』も含まれている。

 開幕前の第一目標だった来季出場権は、シーズン終了時のCMEグローブポイントランキング上位80位以内が条件となるが、渋野は現在、501.625ポイントの23位につけている。早くも昨年のボーダーライン(381.280ポイント)を大きく上回っており、シード権獲得は確定したといっていい。

  さらに、先日行なわれたリシャッフルで順位を大幅に上げ、今季後半戦の出場も確定した。今後、同ランキングの順位をさらに上げる可能性も十分ある。

 そんな渋野のゴルフを支えているひとつの要因は、ショットの安定感だ。ここまでのスタッツを見ると、パーオン率が72.44パーセント(27位)、フェアウェイキープ率が78.29パーセント(32位)となっている。

 レベルの高い米女子ツアーでこの位置にいるのは、十分合格点と言えるだろう。スイング改造に試行錯誤しながらも、ようやく自分に適したスイングを身につけつつある証拠だ。その意味でスイングが完成した暁には、この数字がさらに上がることも期待される。

 強豪ひしめくなか、ルーキーイヤーながらCMEグローブポイントランキング23位にいること自体、まずまずどころか大健闘だ。ただ、あえて課題を上げるなら、平均パット(30.12、95位)だろう。西海岸特有のポアナ芝に悩まされたこともあるが、この数字次第でパーセーブ率も上がるだけに、スコアメイクが楽になるはずだ。
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渋野のプレーが海外選手にとっても“大きな刺激”に